概要・あらすじ
チェブラーシカやミトンで知られるロシアの人形アニメーション作家、ロマン・カチャーノフ監督作品。
没後20年に当たる2013年に日本で初公開、今年になってDVD化された。
表題作を含め、6作品の短編集。
ある日、こねこのミーシャが住んでいた古い家が壊され、新しい建物が建つことになった。
「わたしのおうち?」
働く車たちを手伝おうとしたり、ねずみや雀たちとのやりとりがかわいい。
ミーシャは新しい居場所を見つけられるか。
収録作品
- 「こねこのミーシャ」(1963)初DVD化
- 「ミトン」(1967)
- 「迷子のブヌーチカ」(1966)初DVD化
- 「レター」(1970)
- 「ママ」(1972)
- 「ノビチェク」(1961)日本未公開
予告編
映画『ミトン+こねこのミーシャ』予告編 - YouTube
こねこのミーシャ
広場に取り残された古い家、ミーシャは、そこで暮らしていました。
建設ラッシュが続く中、住む人の居なくなったその家も壊される日がやってきます。
雨の中を悲しみ戸惑うミーシャに、ブルドーザーのおじさんが声をかけます。
今夜は中で休んでいくといいよ。まだ暖かいんだ。
運転席の中でミーシャが見る夢は、きれいな暖かい部屋で、食べ物にも遊びにも困らない幸せな時間でした。
翌日、建設のための車たちが歌いながら行進してやってきて、新しい建物をつくりはじめます。
このあたりが異様というか不気味とも思える描写なのですが、歌のリズムにノッているミーシャがかわいい場面でもあります。
幸せな生活を夢見て、車たちを手伝おうとするミーシャ、新しい建物の中に、望んでいたものはあるのでしょうか。
この作品が作られた60年代のソ連はどんな国だったのでしょうか。社会風刺を含みながらも希望のあるラストでした。
ミトン
雪の日、子供たちの遊ぶ姿を窓から眺めていたアーニャは犬が欲しくて堪らなくなり、近所のうちから子犬を貰ってきます。
アーニャのママは本を読むのに夢中で、まともに取り合ってはくれません。
仕方なく手袋を犬に見立てて遊んでいると…
手袋を撫でる手の動きとか本を読みながらコートを脱ぐ母親とかスピーカーの動きとか、描写が細かくてかわいいんですよ。
セリフはないけれど、アーニャの寂しげな様子、手袋にミルクを飲ませようとするアーニャに心をうたれる母親の姿、とても伝わってきます。
リピートすること間違いなしですよ。
こちらは絵本も出てます。