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「甘々と稲妻」(雨隠ギド)一緒に作るご飯はもっとおいしい【2016夏アニメ】

「甘々と稲妻」(雨隠ギド)1巻 (アフタヌーンコミックス)

「甘々と稲妻」は雨隠ギドによる漫画作品。

 2013年より月刊good!アフタヌーンで連載を開始した。

ひとり娘と二人で暮らす高校教師が、ふとしたきっかけから教え子の女子高生と三人でごはんを作って食べることに。三人とも料理はまったくできないけれど、美味しいごはんはとっても大好き!あったかくって楽しいひとときが、きっとあなたを夢中にさせる! 

(「「甘々と稲妻」(雨隠ギド)1巻 (アフタヌーンコミックス)」)より

あらすじ

高校教師の犬塚は幼い娘と二人暮らし。半年前に妻を亡くしたばかりで仕事や家事に追われ、食事はコンビニ弁当ばかり。

ある日、テレビをみていた娘つむぎの言葉にショックを受ける。

おいしいものを食べさせようと夜の道を料理屋に向かうが、それをきっかけに料理屋の娘小鳥との料理会がはじまった。

TVアニメ PV 

甘々と稲妻 プロモーションムービー ロングバージョン - YouTube

2016年夏アニメ用のPV映像。 

原作の1話と2話にあたる部分が使われているが、この「たべるとこみてて!」はハイライトである。

一話は土鍋で炊いた御飯だが、それを食べた時のつむぎの表情、それを見たら買うしかないと思った。

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秘密の料理会

たどりついた料理屋は、店を営む料理研究家・飯田恵が多忙のためほとんど休業中であった。

他においしい店を紹介して欲しいという犬塚を、店の娘である小鳥は引き止める。

彼女は実は犬塚が副担任を務めるクラスの女の子。

 

小鳥は料理が全くできないが、母の作る所を見てなんとなく覚えていることと、味見は得意である。

そして犬塚は味付けが苦手で、娘の今まで見たことないような表情を引き出すほどの料理下手。

一人ではできなくても、二人合わせればできるかもしれない。

「甘々と稲妻」(雨隠ギド)1巻より、たべるとこみてて
(「甘々と稲妻」1巻より)

土鍋で炊いたごはんを食べるつむぎ。

これはお父さん泣いちゃう。

 

「甘々と稲妻」(雨隠ギド)1巻より、喜ぶと思いますよ
(「甘々と稲妻」1巻より)

ピクニック用のお弁当をつくる回。

母親が喜ぶ姿を想像する小鳥。

 

一人で食べるより、誰かと食べるごはんは格段においしい。

この三人の幸せそうな表情を見てるだけでも和む。

ちなみに、作者は料理は苦手だそう。

その分、試行錯誤しながら少しずつ上達していく様子が説得力あるのかもしれない。

 

あと、こういう何気ないシーンが好き。 

「甘々と稲妻」(雨隠ギド)1巻より、テーブルの裏の落書き
(「甘々と稲妻」1巻より)

TVアニメ版

制作:「甘々と稲妻」製作委員会・「あにめのめ*1」枠

放送日:(TOKYO MX)月曜25:05~ / (読売テレビ)月曜25:59~

出演:中村悠一 / 遠藤璃菜 / 早見沙織

第1話 制服とどなべごはん

みみめめMIMI 「晴レ晴レファンファーレ」TV SPOT30秒 - YouTube

アニメ版の1話は、原作の第1話に相当する。

30分番組なんだけど、ゆったりした空気があう内容なのもあって、さほど間延びを感じることもないかな。

黄色のマジガルはそういう扱いなのね、というのと、「たべるとこみてて」の部分のお父さんの反応が控えめになってるなという印象。

リアルタイムでは追わないけど、HuluでBGM代わりに時々見て癒されようかと思う。

OPの曲もかわいい。

第2話 豚汁とみせあかり

 そざいのあじがする…

小鳥の母は他の仕事が忙しく、店も閉めていることが多い。

お店がなくなってしまいそうと心配する小鳥は、時々お店にあかりをつけて一緒にごはんを作って食べることを提案する。

学校外で生徒と個人的に会うことに乗り気ではない犬塚だが、ベテランの教師に親と話してみることを勧められる。

そして、小鳥は包丁を扱うのが怖いということが判明。

代わりに切ってくれる人がほしい小鳥、つむぎが喜ぶ顔を見たい犬塚と利害の一致で料理会の話がまとまる。

お古のエプロンをもらったつむぎがウインクをしてみせるところがかわいい。

「米と豚汁のすばらしさよ」の部分をつむぎに復唱させたのいいね。 

第3話 つむぎとおまたせのハンバーグ

前回メニューにはあったものの、力つきて作れなかったハンバーグ。

今回はそれをメインにもってきた。

自宅でのご飯も自分で作るようになった犬塚だったが、卵を焦がしてしまったり、味噌汁を煮詰めてしまったり。

生煮えがこわいのではと察した小鳥は煮込みハンバーグにすることを提案。

そしてつむぎだが、幼稚園での友達とのけんか。

粘土でハンバーグを作ろうとしたつむぎだったが、お皿なども作ると粘土が足りない。

見かねたクラスの女の子が自分の粘土を提供してくれるのだが、男の子の一人がいちゃもんをつける。

ショックを受け、落ち込むつむぎ。

子役の演技が印象に残る回だった。

以前ばらかもんで陽菜役だった頃も泣きの演技が多かった。

なる役の子の上手さに隠れていた気がしたが、この子もだいぶ上手いね。

第4話 きらいな野菜とコロコログラタン

僕がおいしいって感じたうれしさを、つむぎにも味わって欲しかったのかもしれない。

同僚の体育教師、桃屋先生に野菜をおすそ分けしてもらった公平。

家に戻ると実家からも野菜入りの荷物が届く。

必然的に野菜を使ったおかずが多くなるが、つむぎはピーマンが泣くほど苦手。

肉詰めにしても、細かくしても効果はなく、どうしたらおいしく食べてもらえるか相談した結果、次の料理会のメニューはグラタンに決まった。

そして、青果店の娘、小鹿しのぶが初登場。特大のおにぎりを披露する。

苦手な野菜を克服とまではいかなかったが、なんとか食べることもでき、ゆっくり慣れてもらうことに。

つむぎの料理への手伝いも増えてきて、しあわせな家族の雰囲気を醸し出していた。

回を追う毎に癒やし成分が増している気がする。

第5話 お休みの日のとくべつドーナッツ

しのぶと映画を観に行った帰り、小鳥は見知らぬ男と一緒にいるつむぎを発見する。

もしや誘拐かと後をつける小鳥だったが、その男は公平の友人の八木であった。

つむぎは、八木におやつを買ってもらいながらもドーナツは食べようとしなかった。

お腹いっぱいになってご飯が食べられなくなることを心配しての行動だった。

そこで、次のお昼ごはんとしてドーナツをつくることに。

公平に「ドーナツ、食べたかったのか?」と聞かれた時の表情が上のツイート画像。

今回は料理会でのつむぎのテンションが終始高くてかわいかった。

ドーナツの存在が、「おかしかご飯かむずかしいやつ」から、「おとさんと休みの日に食べるうれしいやつ」に変わった。

はい、神回です。

第6話 おともだちとギョーザパーティー

料理会に新メンバーが参加。

小鳥のうちへ様子を見に来たしのぶに、料理会の存在がバレてしまう。

「料理がんばりたいなら私も手伝うよ」

断り切れない小鳥、次の日程も決まっていく。

小学生の弟たちがいて、家の手伝いも頑張るしのぶは、面倒見のいい女の子だ。

立ち寄った小鳥をおやつにさそい、「一人くらい増えても変わらないって」と言う場面があるが、それとおなじ感覚と思われる。

今回は、しのぶと八木の料理できる組の存在が生きる餃子回。

小鳥が公平やつむぎとゆっくり丁寧にやることを大切にしていることがよくわかる回でもある。

そして八木の扱いよ。

「またこういう役回りなのか」の一言が気になるね。

第7話 五平餅とだいぼうけん

公平が風邪をひいた。

具合の悪い公平を心配してそばを離れないつむぎ。

マジガルのアニメを観て、おつかいにいく決心をする。

来て、私のおともだち!力を貸して、私のマジガル!

バッグの中身はピンクの豚ガリガリさんとマジガルのDVD。

向かった先は小鳥の所だった。

一方、目が覚めた公平はつむぎが家にいないことに気付き、街を探しまわるのだった。

道中で歌いながら歩いて行くのだが、それがかわいいこと。

サメの歌、暑いなの歌。これは即興なのかな、出来がいいけど。

つむぎを見つけ、怒鳴ってしまう公平。 

なんとかしなきゃと小鳥の考えた計画は、

おいしいごはんを炊く、一緒に食べる、おいしいねーと仲直りする。うん、これしかない。

いつものやつだね。

五平餅は小鳥にとって父との思い出の味だそう。

気になったのは、小鳥が「家の近くまでしか送れない」と言っていた点。

原作だと、つむぎが風邪をひいた時に小鳥が犬塚家に突撃する回がある。 

第八話 明日もおいしいイカと里芋の煮物

幼稚園の参観日に行ってきた公平。

年度ごとに幼稚園用のバッグを新調している家庭もあること、つむぎのバッグのシミが取れなくなっていることが気にかかる。

つむぎに確認すると、「ママのでいい」と返ってきた。

母親の多恵が用意してくれたバッグを大切にしているようだ。

今回はイカと里芋の煮物。しぶい。

母の味からのリクエスト。

「ママのやつに、お父さんも参加していいかな?」

バッグには新しいりんごのアップリケ。

母親とのエピソードも見てみたい。 

第9話 うちのおうちカレー

幼稚園のお泊り会での夕ごはんはカレー。

子供用の包丁で参加したつむぎは、それが気に入ったらしい。

暗くなった部屋に一人で帰る公平はやはり寂しそうだった。

電話で八木にも「つむぎがいなくても泣くなよ」とつっこまれる。

今回の料理会は、多恵が残したレシピをもとにした犬塚家のカレー。

干しぶどうも入って具だくさんだ。

このレシピのすごいのは、ピーマンをどうやっても克服できなかったつむぎが、当たり前のように受け入れていること。

母親の試行錯誤の結果なのかもしれない。

子供用の包丁があれば、これから手伝えることが増えるだろうね。

 

最近エンディングの曲が耳に残るよ。

Maybe(アニメVer.)

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第10話 夏休みとねことアジ

夏休みに海に来た公平たち。

最近のつむぎは甘えん坊になっている。

本人の言葉だと「ねこだから」。母親を思い出す出来事が多かったせいもあるだろう。

海に興味を持てないつむぎに、早く切り上げて帰ろうとすると、ご近所さんに偶然出会い、アジを分けてもらう。

ということで、今回はアジを使った料理で、三枚おろしにも挑戦。

刺し身、なめろう、山家焼き(さんがやき)。

1話とおして原作を忠実に再現してある回で、つむぎが生まれた時のことを話す公平のシーンがいい。

小鳥母の分も残すという条件が省略されているが、最終回は営業再開の件以外をもってくるとか?

第11話 おゆうぎ会とさつまいもクレープ

幼稚園のおゆうぎ会の出し物は、マジガルに決定。

友達のハナちゃんは、つむぎと一緒に主人公のよしこちゃんをやろうと言い出すが、つむぎはピンクの豚のガリガリさんがやりたかった。

一方、高校の文化祭はクレープ屋。

これをきっかけに、これまで小鳥に話しかけたがっていたクラスメイトたちとの交流がうまれる。

公平は、つむぎがまだクレープを食べたことがないことを思い出し、はじめてのクレープは手作りにしたいと考えた。

 

公平もずいぶん家事が慣れてきた。

ハナちゃんとけんかしたつむぎのために、ガリガリさんの衣装も手作り。

ちょっとうますぎじゃない?

「いつもつむぎのことばかり考えてるよ」の言葉に照れるつむぎがかわいい。

第12話 あいじょーたっぷりお好み焼き

つむぎの母が亡くなって一年が経った。

夜、疲れていた公平とつむぎは外でご飯を食べることに。

はじめてのお好み焼きは、店員が焼いてくれる店だった。

自分で焼けると聞いていたつむぎはがっかりして、公平を困らせてしまう。

 

名誉回復のごはん会はみんなでお好み焼きになった。

しのぶと八木はもうセットになってるのが微笑ましい。

「うちらってのは、…うちらか」

「そうだよ?」 

 

怒られるのがキライなつむぎと、怒るのがキライな公平と。

こういう話をきちんとできるのっていいよね。

小鳥母も遅れて駆けつけて、公平とは初対面ということになっていた。

 

最終回にしてはあっさりしているのは、2期があるからなのか?

全員出せる話にしたかったんだろうけど。

あるとすれば、子供用の包丁のやりとり見たいな。

9話からの流れで登場するかなと思ったけど。 

「甘々と稲妻」(雨隠ギド)3巻より、飯田小鳥「子供用の包丁買ってもいいかな?」
(「甘々と稲妻」3巻15話より)

 

この3ヶ月、毎週見るのが楽しみだった。 

原作をうまく補完したり、組み合わせたりしてよく出来てたと思う。

小鳥の声は最初渋いなと思ってたけど馴染んだね。

これで終わりか。さみしいな。

アニメっていいね。 

 

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