「さよなら私のクラマー」は新川直司による漫画作品。
月刊少年マガジンで2016年5月より連載を開始した。
21話は、深津監督の現役時代の後輩が訪ねてくる。
前回はこちら。
突然の訪問者
恩田たち一年生組が捕獲した変質者(推測)の正体は、深津監督の後輩だった。
高萩数央(たかはぎ かずお)、元日本代表の左ウインガーである。
久々に深津監督に会いに来た彼は、ついでにワラビーズの練習を見てくれることにもなったのだが…
先輩のことが好きすぎてついつい本音が。
二人はダーリン、カツオと呼び合う仲らしい。
彼らが初めて出会ったのは10代の頃。
ということは、深津監督の過去・現役時代をも知る人物である。
能見コーチの就任時、校長の話では次期ユース代表監督候補の強い推薦であると紹介されていた。(2話)
そんな強力なコネを持つ深津監督が弱小校でくすぶっているのはなぜなのか。
そもそも彼は何者なのかは気になるところである。
深津監督の過去
「僕らの世代では絶対的なエースだったよ」
高萩の語る深津監督の姿は、現在からは想像もできないものだった。
脚を怪我し、リハビリを続けてもプロの水準に回復できないと知った時でさえ、新たに指導者としての道に希望を持っていたという。
ベテラン選手との確執で監督の座を追われても、不屈の精神でまた這い上がってくるはずだと。
高萩にとっては深津監督は少年時代からの憧れであり、いずれは監督同士として対戦もしたい相手だろう。
誰よりも彼の復活を望む者。
その分、言葉は厳しい。
長い付き合いだから言えるセリフだけれど。
ワラビーズの選手たちを見て、うちにスカウトしたいとも言っていた。
もしかしたら具体的なチームも決まっているのかもしれないね。
彼は現役時代は鉄人と呼ばれていたという。
復帰のために足掻く深津監督の姿を近くで見ていたからこそ、長く現役を続けることにこだわったはずだ。
そして約束を果たしてたどり着いた時には、相手は情熱を失って抜け殻のようになっていたというところ。
でも最近はワラビーズのサッカーに楽しみを感じているように見える。
インターリーグでの躍進も、深津監督の指導でチーム力が上がっているからだし、なんだかんだ頼りにされているのである。
彼には蕨青南の、彼女たちの監督でよかったと心から思えるようになって欲しいよね。
ちなみに、インターリーグでの次の相手は栄泉船橋。
関東大会であの久乃木学園を破ったチームである。
その後、全国へは進めなかったようだが要注意な学校であることには変わりない。
中でも曲者な選手と思われるのがこの国府妙(こくぶ たえ)。
無名のようだったので1年かと思ったら2年生だった。
指導者のいないチームとのことだが、これがどう絡んでくるか。
あとがき
今月は単行本5巻が発売される。
表紙は1巻以来の恩田希が単独で登場。
そろそろ2年生組もいいんじゃないかな。
今回のエピソードは6巻に収録。