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映画「マイ・フレンド・フォーエバー」その川はミシシッピへと続く

映画「マイ・フレンド・フォーエバー」ポスター

「マイ・フレンド・フォーエバー」はピーター・ホルトン監督による1995年公開の映画。

不治の病に侵された少年と、隣りに住む同年代の少年との友情を描いたロードムービー。

概要・あらすじ

エリックの家の裏隣にエイズ*1の少年デクスターが引っ越してきた。

世間ではまだエイズに対する理解もなく、息子に親しい友人がいないことを心配する母親も、デクスターとの付き合いには反対だった。

ある日、ニューオリンズで特効薬が発見されたという記事を読んだ二人はミシシッピ川を下る旅に出る。

かつてトム・ソーヤーやハックルベリー・フィンが冒険した川を手製の筏で下る二人とワニ。

無謀であっても希望に満ちた最高の思い出。

エリックの不器用な優しさ、そして母の深い愛情に泣ける。

  

原題:The Cure
監督:ピーター・ホルトン
出演:ブラッド・レンフロ / ジョゼフ・マゼロ / アナベラ・シオラ / ダイアナ・スカーウィッド / ブルース・デイヴィソン

予告編

The Cure (1995) - Official Trailer [SD] - YouTube

母の愛

エリックとデクスターの共通点は母子家庭であるということ、親しい友人がいない、寂しい思いをしているということです。

二人が仲良くなるのには時間はかかりませんでした。

 

一方、母親の考え方は対照的で、エリックの母は片親であることで経済的な不自由はさせず、危険であることからは遠ざけようとします。

デクスターと仲良くすることを反対するのもその一つで、エイズに対する無理解のためですが、この時代では普通の反応でもあるのでしょう。

不器用で、愛情表現が苦手なタイプ。

 

デクスターの母は過保護とも言えるくらいに愛情を注ぎます。

息子に友達ができた事を素直に喜び、多少の無茶をしても叱らずに見守ります。

おそらくは治療が間に合わないのを覚悟していて出来る限りのことをしてやりたいと考えています。

 

この二人の母親が対峙する場面は見所です。

筏での川下り

エリックとデクスターは自分たちで治療法を見つけようとさまざまな無茶をしますが、筏での川下りもその一つ。

このミシシッピ川はマーク・トウェインの小説「トム・ソーヤーの冒険」や「ハックルベリー・フィンの冒険」の舞台。

エリックが筏を漕ぐ姿はハックを思わせます。

 

この作品が影響したのかどうかはわかりませんが、エリック役のブラッド・レンフロの次の出演作は「トム・ソーヤーの大冒険」。

まさにハックを演じます。

スタンド・バイ・ミーもそうですが、少年時代特有の行動はわくわくさせてくれますね。

忘れずにいたい気持ちです。

あとがき

少年の友情ものっていいですね。

特に夏の時期は郷愁をさそって定番です。

この作品も長らくDVD化されていなかったのですが、発売を望む声が多く、数年前にようやく実現しました。

マーク・トウェインの作品を読んでいるとより楽しめるかもしれません。

 

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