あらすじ
ネガルと、そのボーイフレンドのアシュカンはともにミュージシャン。インディー・ロックを愛する彼らは、演奏許可が下りないテヘランを離れてロンドンで公演することを夢見る。しかしアシュカンは、無許可で演奏したという理由で逮捕され、ようやく釈放されたばかり。バンドのメンバーもばらばらになってしまった。2人は危険もかえりみず、違法にパスポートやビザを取得しようとする。
エンジニアのババクに相談した2人は音楽のためなら何でもござれの便利屋ナデルを紹介される。ナデルは2人が無許可でつくったCDを聞いて彼らの才能に驚き、国を出る前に、自分がCD制作の許可もコンサートの許可も取りつけてやると大見得をきる。(オフィシャル・サイト)
予告編動画
映画『ペルシャ猫を誰も知らない』予告編 - YouTube>
原題:No One Knows About Persian Cats
作品について
「新作は?」
「イランのアングラ音楽だ。」
「プロの俳優を使って?」
「いや、一人もいない。アシュカンとネガルが出てる。知っているだろ?」
「二人は三週間後に国を出るはずでは?」
若者たちの夢
アシュカンとネガルの二人は出国のために協力することになった、アンダーグラウンドの世界に詳しい人物ナデルと行動を共にすることになる。
ペルシャ猫たちのその後
イランはかつてペルシア(ペルシャ)と呼ばれていた。
ペルシア絨毯やペルシャ猫が有名だろう。
映画内でも描かれるが、犬や猫などのペットを外に出すのは禁止されていて、屋内に入らなければ姿を見ることが出来ない。
アンダーグラウンドで活動するミュージシャンたちを、本作ではペルシャ猫に例えている。
音楽をやりたい彼らと、映画を撮りたい監督の思惑が一致し、短期間でのゲリラ撮影による制作が敢行され外の世界へ発信されることになった。
主演の二人は予定通り国外へ、監督もイランを離れているようだ。
出演したミュージシャンの幾組かは国外で活動し、残った人達もその後の規制緩和でいくらか活動しやすくなっているかもしれない。
国外へ出たバンドの内、YouTubeで聴けるものがあるので紹介したい。
The Yellow Dogs
The Yellow Dogs 「this city」 (Official Video) - YouTube
アメリカへ渡ったThe Yellow Dogsというバンド。
リッケンバッカーを愛するベーシストのいるバンドだ。
もう少しポップな曲もある。
The Yellow Dogs - Dance Floor - YouTube
Take It Easy Hospital
Take it Easy Hospital en concert. - YouTube
主演の二人のユニット。
彼らが幸せな音楽活動を送れていることを願うばかりだ。
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