「レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語」はブラッド・シルバーリング監督による2004年公開の映画。
レモニー・スニケット(ダニエル・ハンドラー)による児童小説「世にも不幸なできごと」シリーズ*1を映画化したものである。
ボードレール家の三姉弟妹に、遺産を狙うオラフ伯爵とその一味が襲いかかる。
諸君が見るのはとても不愉快な映画だ。
楽しい物語がよければ、ほかの映画館へ行くがいい。
ご丁寧に冒頭で断りが入るように、ハッピーエンドは期待しないほうがよい。
原作は全13巻、章立てはそれぞれ13章から構成されているというこだわりぶり。
あらすじ
裕福な両親のもとで何不自由なく育ったボードレール家の子供たち。
長女のヴァイオレットは14歳としては世界でもトップクラスの発明家。
長男のクラウスは12歳で、屋敷の図書室にあるあらゆる書物を読み、一度読んだものは記憶してしまう読書家。
次女のサニーはまだ幼いが、4本の丈夫な歯でなんでも噛み付いてしまう噛みつき家。
三人が“塩から”ビーチで過ごしていると、銀行家のミスター・ポーがやってきて、屋敷の火事と両親の死を告げる。
両親は莫大な遺産を有していたが、相続できる年齢になるまで後見人が必要だった。
ミスター・ポーの案内で最初に訪れたのは、町外れにある古い屋敷の持ち主、オラフ伯爵のところだった。
役者でもあるという伯爵は、表向きは親切だが、子供たちを利用して遺産を手に入れようとしている悪党だった。
何とかしてオラフ伯爵のもとを逃れようとする子供たちに伯爵の魔の手が迫る。
予告編動画
Lemony Snicket's A series of Unfortunate Events
ジム・キャリーの表情豊かな演技
オラフ伯爵を演じるのはジム・キャリー。
子供たちは後見人のもとを転々とするが、ゆく先々に変装した伯爵が現れる。
芝居がかったセリフと独特な動きや表情はまさに適役だ。
ジム・キャリーのための映画と言っても過言ではない。
続編は予定されていたのか
本作はすっきりとした終わり方はしない。
あらかじめハッピーエンドは期待しないよう忠告されているが、事態は結局は解決するわけではない。
原作がまだ完結していなかったのもあるだろうが、終わらない物語も不幸せの一つなのかもしれない。
エンドロールは必見
ここで終わり? という感想は終了時点での残り時間がけっこうあるというところからもきている。
この後のエンドロールが非常に凝っている。
ここの部分だけでも映像作品として成り立つくらいだ。
あとがき
タイトルが手に取りにくいかもしれないが、原作の「世にも不幸なできごと」シリーズは累計6500万部を超える大人気作品らしい。
“あまりにも可哀想で読むのを止められず、世界中の読者を釘付けにしたベストセラー” (Cinema Topics Online)
とのことだ。
実際には児童小説なので、大人が観る分には適度なダークファンタジー・コメディとして楽しめると思う。
今後Netflixでドラマ化が予定されているそう。
「レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語」がネットフリックスでドラマ化 : 映画ニュース - 映画.com
原題:Lemony Snicket's A Series of Unfortunate Event
監督:ブラッド・シルバーリング
出演:ジム・キャリー(オラフ伯爵)
エミリー・ブラウニング(ヴァイオレット)
リアム・エイケン(クラウス)
カラ&シェルビー・ホフマン(サニー)
ティモシー・スポール(ミスター・ポー)
ビリー・コノリー(モンティおじさん)
メリル・ストリープ(ジョセフィーンおばさん)
キャサリン・オハラ(ストラウス判事)