午前3時の太陽

おすすめ漫画の紹介と注目の新刊コミックのレビューブログ

「リトルプリンス 星の王子さまと私」大人になっても忘れないで

リトルプリンス 星の王子さまと私(字幕版)

 

「リトルプリンス 星の王子さまと私」はマーク・オズボーン監督による2015年公開の3Dアニメ映画。

サン=テグジュペリの小説「星の王子さま」のその後の物語。

9歳の女の子が、星の王子さまに会いにいく

あらすじ

名門のワース学園への入学を目指す女の子が、母親と街へ引っ越してきた。

徹底した管理で娘の人生設計を描く母親だったが、この学区内に住むことができたのは、隣の家の影響で家賃が下がっていたからだった。

年老いた元飛行士が住む家は、近所でも風変わりであったが、娘の将来のためには些細なこと。

 

ある日、部屋で勉強をしていた女の子の部屋に、紙ひこうきが飛んでくる。

その紙に書かれていたのは、小さな惑星に住んでいる、友達がほしい少年の物語。

女の子の運命が動き始める。

予告編動画

映画『リトルプリンス 星の王子さまと私』特別動画 - YouTube

原作の世界観を大切に

マーク・オズボーン監督が出した答えは「原作を膨らませるのではなく、包み込む」こと

 

本作は主に3DCGアニメで描かれているが、原作の物語部分は和紙などで作られたキャラクターのストップモーションで進行する。

世界中で愛されている作品だからこそ、そのイメージを壊さないように丁寧に再現されている。

むしろこれで1本作ってほしいくらいだ。

 

 

かつての飛行士は年老いて、今では町の変わり者としての扱いになっているが、この町は奇妙である。

数字に関するニュースが重要な話題であり、建物は整然と区画され、植木にいたるまで完璧にコントロールされている。

女の子の母親はそこに違和感なく入り込む。

人生設計として時刻、曜日、週、月ごとに完璧にスケジュールが決まっていて、それを達成することが娘の幸せになると信じている。

 

老人の紡ぐ星の王子さまの物語は魅力的であった。

型にはまらない自由な生き方をし、年をとっても少年のような夢を持ち続けている。

大人たちの忠告に従い、子供時代を忘れていた彼も、王子と出会って大事なことを思い出した。

そしてまた、今度は女の子にそれを伝えようとしている。

 

問題なのは大人になることじゃない、忘れることだ

 

女の子は老人から、目に見えない大事なことを教わった。

バラバラだった物語を追体験し、一つの本にまとめあげた。

それはまた次の世代に、より多くの人に伝えていけるものとなるだろう。

 

 

あとがき

後半は女の子自身の、王子に会いに行く冒険の旅だ。

見知らぬ町で、「星の王子さま」に出てくるキャラクターたちがその後どのような生活を送っているのか。

これは現実世界というよりは彼女の想像上の物語なのかもしれない。

一緒に旅立つなかよしのキツネのぬいぐるみがかわいかった。

 

前半部分のセリフは、観終わったあとには別の意味を持つメッセージにもなってくる。

子供たちにも、大人になった人にも観てみてほしい。

 

原題:Le Petit Prince(The LIttle Prince)

監督:マーク・オズボーン

原作:サン=テグジュペリ「星の王子さま」

出演:ジェフ・ブリッジス(津川雅彦) / マッケンジー・フォイ(鈴木梨央) / レイチェル・マクアダムス(瀬戸朝香)/ ジェームズ・フランコ(伊勢谷友介) / ベニチオ・デル・トロ(竹野内豊) / マリオン・コティヤール(滝川クリステル)/ ポール・ラッド(宮野真守) / アルバート・ブルックス(土師孝也) / リッキー・ジャーヴェイス(ビビる大木)

 

原作の翻訳はたくさん出てるけど、これが好き。

 

こっちの訳も気になるかな。 

おすすめの訳があったら教えて下さい。

関連記事