午前3時の太陽

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2017年3月の気になる新作映画10本

春のイメージ:チューリップの花と子供たち

2017年3月に公開する新作映画で、面白そうなものを10本選んでみた。 

 

今年の大本命「ラ・ラ・ランド」が先月末に公開されたため、そちらを優先する人も多いだろうが、3月も豊作の予感である。

特に「モアナと伝説の海」と「牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件」は要チェック。 

 

前回はこちら。 

モアナと伝説の海

ディズニー映画アニメ「モアナと伝説の海」ポスター

海に選ばれた16才の少女モアナ──海が大好きな彼女は、島の外に出ることを禁じられながらも、幼い頃に海と“ある出会い”をしたことで、愛する人々を救うべく運命づけられる。それは、命の女神テ・フィティの盗まれた“心”を取り戻し、世界を闇から守ること。神秘の大海原へ飛び出した彼女は、伝説の英雄マウイと出会い、世界を救う冒険に挑む。立ちはだかる困難に悩み傷つきながらも、自分の進むべき道を見つけていくモアナだったが…。

(あらすじ:モアナと伝説の海|映画|ディズニー|Disney.jp |より)

ポリネシアがモチーフの物語をディズニーが描くのは初めてのことらしい。 

かつて、母なる存在テ・フィティの力の源であるハートが盗まれた。

以来、世界は闇の力が大きくなり、モアナの住む島にもその影響が現れ始める。

彼女の使命は伝説の半神半人マウイを探し出し、ハートの力で世界を救うこと。 

印象的なテーマ曲は、モアナ役のアウリー・カルヴァーリョの歌う「How Far I’ll Go」。

予告編は英語版の方が楽しそうな雰囲気が伝わってくる。 

 

How Far I'll Go

How Far I'll Go

  • アウリィカルバーリョ
  • サウンドトラック
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

Moana Official Trailer - YouTube

監督:ジョン・マスカー / ロン・クレメンツ

出演:アウリー・クラバーリョ / ドウェイン・ジョンソン / レイチェル・ハウス

ボヤージュ・オブ・タイム

ドキュメンタリー映画「ボヤージュ・オブ・タイム」ポスター

テレンス・マリックが40年のライフワークを集大成した本作は、
我々の惑星の過去への探究と人類の未来への探求でもあり、
宇宙の壮大な足跡を革新的な映像効果を用いて描いた究極の一作だ。
研ぎ澄まされたあらゆる感覚、心、そして魂で体感する宇宙の神秘。
無限の時を経て、今我々がここにいる意味とは―?

(映画『ボヤージュ・オブ・タイム』公式サイトより)  

宇宙の誕生から生命の歩みを凝縮した映像美で見せよういう試み。

今回取り上げた中で、大画面が最も映えるのは本作かもしれない。  

音響もよければ言うことなし。 

 

『ボヤージュ・オブ・タイム』日本語版予告編 - YouTube

監督:テレンス・マリック

牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件

エドワード・ヤン監督「牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件」ポスター

BBCが1995年に選出した「21世紀に残したい映画100本」に台湾映画として唯一選ばれ、2015年釜山映画祭で発表された「アジア映画ベスト100」において、『東京物語』『七人の侍』『悲情城市』などと並んでベスト10入りするなど、映画史上に残る傑作として評価されながらも、日本では初上映以来25年間DVD化もされず、観る機会がほとんどなかった。

1961年に台北で起きた、14歳の少年によるガールフレンド殺人事件に想を得た本作は、青春期特有のきらめき、残酷さを描くと同時に、一人の少年とその家族、友人達を描くことで、その背景の社会や時代をも透徹した視線で見事に描ききっている。

(『牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件』公式サイトより)

その評価の高さから一度は観てみたいと思いながら、その機会が来ないままだった。

そもそもDVD化すらされていない入手困難以前の問題なのだが、今回デジタルリマスターの完全版で蘇る。

(※上映は、4Kレストア・デジタルリマスター原版から変換した2K上映となります。)とのこと。

字幕などいらぬという人ならクライテリオン版を選ぶという手もあるが、近くで上映される幸運な人はスケジュールをチェックしておこう。

3月から公開される劇場はいまのところ5館ほど。

 

映画 『牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件』 予告編 - YouTube

監督:エドワード・ヤン

出演:チャン・チェン / リサ・ヤン / ワン・チーザン

ひるね姫 知らないワタシの物語

アニメ映画「ひるね姫 知らないワタシの物語」ポスター

2020年、東京オリンピックの3日前。突然父親が警察に逮捕され東京に連行される。どうしようもない父親ではあるが、そこまでの悪事を働いたとはどうしても思えない。ココネは次々と浮かび上がる謎を解決しようと、おさななじみの大学生モリオを連れて東京に向かう決意をする。その途上、彼女はいつも自分が見ている夢にこそ、事態を解決する鍵があることに気づく。
ココネは夢と現実をまたいだ不思議な旅に出る。その大きな冒険の末に見つけた、小さな真実とは…。

(あらすじ:映画「ひるね姫 ~知らないワタシの物語~」オフィシャルサイトより)

近未来SFもの。 今から約3年後の世界。

「東のエデン」の神山健治監督なのでそのあたりは期待できると思う。

夢の中がパラレル扱いになってるのかな。

テーマ曲に懐メロを使っているのは設定に絡んでくるんだろうか。

原作として、監督自ら書いた小説が先日発売された。

映画『ひるね姫 ~知らないワタシの物語~』本予告【HD】2017年3月18日公開 - YouTube

監督:神山健治

出演:高畑充希 / 満島真之介 / 古田新太

わたしは、ダニエル・ブレイク

ケン・ローチ監督「わたしは、ダニエル・ブレイク」ポスター

イギリス北東部ニューカッスルで大工として働く59歳のダニエル・ブレイクは、心臓の病を患い医者から仕事を止められる。国の援助を受けようとするが、複雑な制度が立ちふさがり必要な援助を受けることが出来ない。悪戦苦闘するダニエルだったが、シングルマザーのケイティと二人の子供の家族を助けたことから、交流が生まれる。貧しいなかでも、寄り添い合い絆を深めていくダニエルとケイティたち。しかし、厳しい現実が彼らを次第に追いつめていく。

(あらすじ:映画『わたしは、ダニエル・ブレイク』公式サイトより)

昨年のカンヌ映画祭でパルムドールの受賞が記憶に新しい。

ケン・ローチ監督の50周年を記念する作品ともなったが、前作をもって引退していた監督がこの映画を撮るために復帰した。 

自身最大のヒット作となり、最高傑作との声もある。 

 

『わたしは、ダニエル・ブレイク』予告編 3/18(土)公開 - YouTube

監督:ケン・ローチ

出演:デイブ・ジョーンズ / ヘイリー・スクワイアーズ / ディラン・フィリップ・マキアナン

光をくれた人

映画「光をくれた人」ポスター

戦争の傷跡で心を閉ざし孤独だけを求め、オーストラリアの孤島で灯台守となったトム。しかし、美しく快活なイザベルが彼に再び生きる力を与えてくれた。彼らは結ばれ、孤島で幸福に暮らすが、度重なる流産はイザベルの心を傷つける。ある日、島にボートが流れ着く。乗っていたのは見知らぬ男の死体と泣き叫ぶ女の子の赤ん坊。赤ん坊を娘として育てたいと願うイザベル。それが過ちと知りつつ願いを受け入れるトム。4年後、愛らしく育った娘と幸せの絶頂にいた二人は、偶然にも娘の生みの母親ハナと出会ってしまう――。

(あらすじ:映画『光をくれた人』公式サイトより)

第一次世界大戦が終わり、臨時の灯台守の仕事を受け入れたトム。

彼は戦争の英雄として帰還したが、心に傷を負い一人になれる時間を欲していた。

ヤヌス島はオーストラリア西部にある岬からかなり距離のある孤島で、数ヶ月に一度の定期便があるだけの寂しい土地。

そんな場所に安らぎを感じていた彼にも、やがて家族ができ幸せな日々を送るようになるが、実は誰にも言えない秘密を抱えていた。

島に流れ着いた赤ん坊を自分たちの子供ということにしてしまったこと。

その子の本当の親かもしれない女性に出会ってから、彼らの葛藤が始まる。 

 

『光をくれた人』予告編 - YouTube

監督:デレク・シアンフランス

出演:マイケル・ファスベンダー / アリシア・ヴィキャンデル / レイチェル・ワイズ

娘よ

パキスタン映画「娘よ」ポスター

パキスタンの村で起こった実話をもとに、10年の準備期間を経て、ついに完成した話題作。知られざるパキスタンの人々の日常生活を描きながら、山岳地帯の部族間での一触即発の危機をはらんだ撮影を始め、目もくらむような切り立った岸壁など、スクリーンを通して伝わって来る緊迫感は並々ならぬものがある。

(パキスタン映画『娘よ』公式サイトより)

部族間のトラブルでの和解の条件として、10歳の娘を差し出すことになった母親が、部族を捨て娘と一緒に逃亡を図る。

日本でパキスタン映画が公開されるのは初めてのことらしい。 

近年、史上最年少でノーベル平和賞を受賞したマララ・ユスフザイもパキスタンの出身であった。

ポスターやサイトは野暮ったいのが残念だけど、そのへんはしょうがないかな。

こういう作品が作られて公開されることに意味がある。

とりあえず予告編を観てみよう。

 

「娘よ」予告編 - YouTube

監督:アフィア・ナサニエル

出演:サミア・ムムターズ / サレア・アーレフ / モヒブ・ミルザ

未来よ こんにちは

映画「未来よ こんにちは」ポスター

第66回ベルリン国際映画祭コンペティション部門に出品され、銀熊(監督)賞に輝いた『未来よ こんにちは』。
『あの夏の子供たち』、『EDEN/エデン』など瑞々しい感性と柔らかな語り口で、弱冠35歳にしてエリック・ロメールの後継者と称されてきたミア・ハンセン=ラブ監督が今回の主役に据えたのは50代後半の女性。
フランスの大女優イザベル・ユペールを想定して脚本を書いたというだけあって、彼女の魅力が最大限に引き出され、孤独や時の流れをしなやかに受け入れていくヒロインが鮮やかに誕生した。
今、フランスでもっとも注目を集める監督と女優が生み出した、愛に満ちた感動の人間ドラマだ。

(『未来よ こんにちは』公式サイトより)

充実した毎日を送っていた高校の哲学教師のナタリーだが、ある時を境に状況が一変していく。

年老いた母の介護と死、夫との離婚、出版社との契約終了。

子供たちは既に独立している。

彼女は一人になった。

代わりに、一匹の猫がやってきた。

パンドラという名の黒い猫。

 

始まる新しい生活に必要なのは希望を持つこと。

授業で教えていた「幸福を手に入れる前こそ幸福なのです」の言葉を自ら実践することになる。 

 

『未来よ こんにちは』予告編 - YouTube

監督:ミア・ハンセン=ラブ

出演:イザベル・ユペール / アンドレ・マルコン / ロマン・コリンカ

パッセンジャー

映画「パッセンジャー」ポスター

20××年――新たなる居住地を目指し、5000人の乗客<パッセンジャー>を乗せた豪華宇宙船アヴァロン号が地球を後にした。目的地の惑星到着まで120年。冬眠装置で眠る乗客の中で、なぜか2人の男女だけが早く目覚めてしまった。90年も早く――。

(あらすじ:映画『パッセンジャー』 | オフィシャルサイトより)

宇宙船の不具合でたった一人、予定より早く目覚めてしまった男。

残り90年の月日を孤独に耐えながら生きていかなければならないのか。

レビューなど読んでみると、SF要素よりラブロマンス色が強いようだ。 

“目覚めたのには理由がある” の理由が気になるところ。

 

映画 『パッセンジャー』 予告 - YouTube

監督:モルテン・ティルドゥム

出演:ジェニファー・ローレンス / クリス・プラット / マイケル・シーン

タレンタイム 優しい歌

映画「タレンタイム」ポスター

2009年に他界したマレーシアの女性監督ヤスミン・アフマドの長編映画としての遺作となった作品。音楽コンクール「タレンタイム」(才能の時間=タレントタイム)が開催される高校で、ピアノの上手な女子学生ムルーは、耳の聞こえないマヘシュと恋に落ち、二胡を演奏する優等生カーホウは、成績優秀で歌もギターも上手な転入生ハフィズを嫌っていた。コンクールに挑戦する生徒たちの青春を描きながら、マヘシュの叔父に起きる悲劇や、ムルーとの交際に強く反対するマヘシュの母、闘病を続けるハフィズの母など、民族や宗教の違いによる葛藤を抱えた人々の様子を通して、多民族国家としてのマレーシア社会を映し出す。

(映画.comより)

ヤスミン・アフマド監督は2003年〜2009年と活動期間も短いが、マレーシアでは評価の高い監督らしい。

日本では東京国際映画祭で作品が上映されたこともある。 

音楽コンクール、タレンタイムに出場する少年少女らの青春。

マレーシアは多民族国家の複雑な社会であるため彼らには問題が山積みなのだが、音楽はそれを乗り越える支えになることができるのか。

予告編は2種類の曲を使ったバージョンがある。

 

映画『タレンタイム~優しい歌』予告編(「I Go」&「Angel」2バージョン連続版) - YouTube

監督:ヤスミン・アフマド

出演:パメラ・チョン / マヘシュ・ジュガル・キショール

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