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「メランコリア」(道満晴明)新連載はショートストーリーのオムニバス

「メランコリア」(道満晴明)より、新連載扉絵

「メランコリア」は道満晴明(どうまんせいまん)による漫画作品。

月刊ウルトラジャンプ2017年2月号より連載を開始した。

1話読み切り形式のショートストーリーは「ニッケルオデオン」シリーズのようになっていくのかもしれない。

ファンタジー要素はやや薄め。

ちなみに前シリーズは1話あたり8ページ、今回は12ページである。

現時点での特徴は、タイトルの頭文字がABC順になっていること。

Apocalypse 終末

11歳の頃から10年引きこもっているサトミがベランダに出てみると、世界は終末を迎えていた。

「メランコリア」(道満晴明)より、世界めっちゃ滅んでる
(「メランコリア」1話『終末』より)

謎のサイレンが鳴り響く中、巨大な触手が街を襲う。

「世界めっちゃ滅んでる」の言い回しが好きだな。

他の人間はすでに最後の審判を受けており、残りはサトミ1人となった。

彼女を裁くのは、神の代理である飼い猫モーアルの役目。

天国か地獄か、サトミの行くべきところは?

「メランコリア」(道満晴明)より、これがヘヴンズドア
(「メランコリア」1話『終末』より)

Bobby Fischer ボビー・フィッシャー 

チェスのコンピュータソフト「ディープパープル」に勝利したことで、ボビー・フィッシャーの再来と評される天才少年タケル。

そんな彼も普段はただの小学生。

「メランコリア」(道満晴明)より、チェス少年と森のマジョ
(「メランコリア」2話『ボビー・フィッシャー』より)

けんかで傷の絶えない日々を送っている。

学校までの途中にある家に最近越してきた若い女性は、彼に親しく接してくれるのだが、周囲の評判はあまりよくなく、森のマジョと呼ばれていた。

彼女には秘密がある。

少年の心に芽生えたものは恋なのか。

人生の持ち時間と心の距離と。

現実にもフィッシャー・モードがあればいいのに。

Cutthroat 殺し屋 

高校生による売春を斡旋することで荒稼ぎをしている組織の主要人物であった女子高生たちが捕まった。

規模が大きくなりすぎて目を付けられたのだった。

夜の森の奥へと向かう道を同行するのはその道のプロの男。

「メランコリア」(道満晴明)より、殺し屋と女子高生
(「メランコリア」3話『殺し屋』より)

色でも情でも動かなそうなこの殺し屋を前に、彼女たちの最後の時が近づいている。

リーダーの女の子は男を恐れる様子もなく取引を持ちかけるのだったが。

あとがき 

タイトルがメランコリアな割りには後味は悪くない。

この感じでいくと13話×2巻のかたちになるのかな。

単行本はしばらく先だね。

作者の最新刊は先月出た「オッドマン11(メガストアコミックス)」。

Kindle版が出たらこちらでも紹介したい。

 

*1巻(上巻)の発売日が2018年3月19日に決まった。

 

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