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「おとぎ話バトルロワイヤル」1巻(稲空穂)絵本作家を目指す少女が童話の国でサバイバル

ファンタジー漫画「おとぎ話バトルロワイヤル」(稲空穂)1巻 (MFC ジーンピクシブシリーズ)

「おとぎ話バトルロワイヤル」は稲空穂(いな そらほ)による漫画作品。

ジーンピクシブで2016年11月から連載を開始した。

開始時のキャッチコピーは、「おとぎの国の全面戦争」。

1巻帯の言葉は、「みんな殺せばめでたし、めでたし?」。

かわいらしい絵柄に不穏な空気を纏わせている。

pixiv閲覧数、合計80万超!!
大反響のイラスト「おとぎ話バトルロワイヤル」、「日本昔話バトルロワイヤル」を元に、作者 稲空穂(いな そらほ)自らコミカライズ!

(「おとぎ話バトルロワイヤル 1 (MFC ジーンピクシブシリーズ)」より)

不思議の国へごしょうたい

国仲青葉(くになか あおば)は絵本作家を夢見る高校1年生の女の子。

クラスに馴染めない彼女は、図書室にある不思議の国のアリスの本の世界に浸るのを習慣としていた。

クラスメイトのいじめも、登場人物であるハートの女王の仕打ちだと思うことで心の平安を保っている。

「おとぎ話バトルロワイヤル」(稲空穂)1巻より、クラスメイトのいじめ
(「おとぎ話バトルロワイヤル」1巻より)

そんな彼女の前に、一枚の契約書が現れる。

与えられる望みがひとつ、代償は不思議の国のアリスの主人公。

いたずら書きのような簡素なもので、いじめっ子の瀬川たちによるものだろうと思いつつも、青葉には叶えたい望みがあった。

「クラスのみんなと仲良くなりたい。」

「おとぎ話バトルロワイヤル」(稲空穂)1巻より、おとぎの国の契約書
(「おとぎ話バトルロワイヤル」1巻より)

ダメ元で書いた願いは、翌日登校すると叶ってしまっていた。

どうやら契約書の効力は本物のようだ。

そして、それは代償の方も…

 

これは青葉が体験する不思議なおとぎ話の国の物語。

そこは様々な国のおとぎ話の舞台が隣り合う世界であった。

しかも長閑さとは無縁の、荒廃した世界である。

彼女が最初に出会ったのは、自分と同じ格好をした、先代のアリスと思われる人物。

ほとんどミイラのようなその姿に戦慄する。

青葉にも彼女と同じ未来が待ち受けているのだろうか。

「おとぎ話バトルロワイヤル」(稲空穂)1巻より、先代のアリス
(「おとぎ話バトルロワイヤル」1巻より)

彼女は青葉が来ることによってようやく解放されたのだ。

これから物語が紡がれる

青葉と同じようにこの世界へ来た者たちには、それぞれ一冊の本が与えられる。

まだ空白の、これから物語が書かれていくであろう本。 

「おとぎ話バトルロワイヤル」(稲空穂)1巻より、本のしおり
(「おとぎ話バトルロワイヤル」1巻より)

青葉にとって救いなのは、同期と思われる少年ノアと知り合えたこと。

そして現実世界ではSNSで情報が共有されていること。 

 

「おとぎ話バトルロワイヤル」(稲空穂)1巻より、本を完成させることが役目
(「おとぎ話バトルロワイヤル」1巻より)

青葉たちより先輩の、この世界に詳しそうな赤ずきんの少女。

彼女はある目的を持って動いている。

 

現実世界に戻れる者と戻れない者の違いは何か?

本を完成させるとは?

その先に待っているのは何か?

謎は深まるばかりなのだが、次の2巻から少しずつ語られていくだろう。

 

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