「とんがり帽子のアトリエ」は白浜鴎による漫画作品。
月刊モーニング・ツーで2016年7月より連載を開始した。
21話は、試験の行われている蛇の背洞窟で、道の途切れた個所に差し掛かったアガット達。
遺跡の魔法の影響を避けつつ向こう側に渡ることができるのか。
前回はこちら。
魔法使いを目指すことになったココは、魔法使い・キーフリーに弟子入りする。ある日、同じアトリエの弟子で努力家のアガットと、試験を嫌っていたリチェが「第2の試験」を受けることに。受かれば、魔法使いではない人達の前で魔法を使う許可が下り、一人前に一歩近付ける。しかし、訪れる者を拒む遺跡の試験に、アガットたちは苦戦を強いられる。
(「前回までのあらすじ:とんがり帽子のアトリエ」より)
崩れた道
古代遺跡・蛇の背洞窟の内部は、うろこ状の曲がりくねる道が続いている。
石畳の一つ一つに魔法陣が描かれ、その上を通る限り空間の歪みの影響は受けずに済むようだ。
だが何分古いため、道が脆くなっていたり崩れていたりするところも見られる。
アガットの水の魔法で、無事な石を判別しながら進んでいた彼女たちの前に、完全に道の途切れた場所が現れた。
遺跡に掛けられた魔法のため、いつものように飛んで渡ることはできない。
最初の難関とも言える場面である。
こういう時に、柔軟な対応を見せるのはリチェ。
あらかじめ決められた正解を強制されるのが嫌いな彼女は、自由な発想を否定しない師匠を求めてキーフリーの所へ来た。
今回のような不測の事態が起こる場面では、枠にとらわれない考え方が必要になってくる。
もしかしたらこの中でリチェが一番試験に向いているのかもしれない。
キーフリーが受験させようと思ったのもそういった理由からだろうね。
自分のやり方でいいんだということが証明できれば、彼女にとって大きな自信になるはず。
魔法陣の効果が石の上にだけに限られるなら、石の上の状態を延ばせばいい。
リチェがリボンの魔法だったのに対して、アガットは複製と繰り返しの陣で解決する。
過去に登場した魔法を応用させつつ、それぞれのやり方で対処していく。
正解が一つではないことを学ぶのも試験の意義なのかも。
それぞれのやり方で
この二人は心配ないとして、問題はユイニィである。
彼は、自分に自信がなさすぎて他人が見ている前ではうまく魔法陣を描くことができないという。
課題の内容からすれば致命的な弱点でもあるが、リチェのアドバイスで自分なりの方法を見つけ出す。
一人の時にできるなら、一人になれる状況を作り出せばいい。
影借りの鏡外套の魔法陣を描き替えるという荒業で、実は性格以外はポテンシャル高いのではと感じさせる。
将来化けるかもね。
今回の受験生は極端だけど、これまでも上手くいかない見習いたちをたくさん見てきたのだろうか。
アライラは根気強く見守ってくれている。
急かすこともなく苛立つこともなく、彼女たちの自主性にまかせながら、本当に必要な時には全力で助けてくれそうな安心感がある。
彼女とキーフリーの因縁も気になるところだけど。
だけど、このまま無事には終わらない。
つばあり帽の姿がすぐ後ろに迫っていた。
次回はつばあり帽の登場で試験どころではない状況になってきそう。
彼らの狙いは何なのか。