「さよなら私のクラマー」は新川直司による漫画作品。
月刊少年マガジンで2016年5月より連載を開始した。
29話は、栄泉船橋戦も残り時間わずか、勝敗を分けそうな次の得点はどちらが取るのか。
前回はこちら。
後半終了間際
後半も残り6分を切った。
ここから先の得点は試合を左右する可能性が高い。
国府を相手に大役を担っている越前もよく頑張っているが、そのプレッシャーも大きいだろう。
その表情に迷いが見え始めていた。
ドリブルでの突破を抑えこまれている国府にはまだ選択肢がある。
サイドからの突破を試みるチームの方針と彼女自身の性格を前提とした対策であったのだが、中でコンビネーションも絡めて動かれると蕨青南としては厳しいだろう。
チームを、そしてキャプテンを日本一にとの思いは彼女の意地を凌駕した。
これによって、栄泉船橋の優勢に動き始めるが、この時の両キャプテンの対比がよかった。
国府を中心に組み立てたチームを最後まで貫き通そうとする浦川キャプテン。
妥協とか我慢とかはプロになってからやったらいいと、思いっきりぶちかましてこいと。
それがキャプテンの、チームとしての意地でもあるんだろうね。
中で動き出した国府を止めるために、蕨青南の田勢キャプテンは自分が下がって対応しようと考えるが、ボールを前に運ぶのは自分の仕事だからと恩田は断っていた。
このときの田勢キャプテンがうれしそうである。
世話が焼ける後輩からこんな力強い言葉が聞けるとは思ってなかっただろう。
かと言って守備に期待できるわけではないが、結果的に越前の迷いを解消できたのは大きい。
彼女はこの一試合でチームに欠かせない存在感を出してきた。
基本的な技術は未熟なのでフル出場はまだ無理だろうけど、今後の成長が楽しみな選手だね。
越前がいなければこの試合負けてると思う。
彼女も恩田を日本一だと証明するために他の選手に抜かれるわけにはいかない。
それがそこに一番近い選手であるなら尚更だろう。
ずいぶんと高いハードルを設定したものだが、現在のところ彼女のモチベーションにとっていい方向に働いているようだ。
その活躍でノンちゃんの存在を印象付けることにも成功したようだし。
来月あたりで試合も決着かな?
今回巻頭カラーで使われた扉絵が7巻の表紙になるのではないかと思う。
「さよならフットボール」(旧版)の表紙を意識した作りになっていて懐かしい。
個人的には新装版よりも好きなデザインだった。
▶さよなら私のクラマー(7) (月刊少年マガジンコミックス)