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「赫のグリモア」2話(A-10)書の魔導士になる決意

「赫のグリモア」(A-10)2話より、「私、魔導師やるよ」

「赫のグリモア」はA-10(エーテン)による漫画作品。

別冊少年マガジンで2018年9月より連載を開始した。

屋敷の地下に封印されていた魔導書の化身と特殊な力を持つ少女の物語。

赤は血の色、獣の色。

魔獣と魔導士、二人の少女が描きだす新本格ダークファンタジー

(「赫のグリモア(1) (週刊少年マガジンコミックス)」より)

 

前回はこちら。

お互いを知るために

書の魔導士だったという曾祖母の後を継ぎ、あかずきんと契約した若葉。

彼女が後継者に選ばれたのは、血縁者であったことだけが理由ではないらしい。

「赫のグリモア」(A-10)2話より、若葉が望んだこと
(「赫のグリモア」2話より)

子供の頃には、すでに描いた絵を具現化する才能の片鱗を見せていた。 

ただ、遠い記憶の中の出来事であるし、突然の環境の変化に戸惑ってしまうのも無理はない。

人類史が絶えないように陰から修正・管理・保存することが本来の任務のようだが、具体的にどうすればいいのかはまだよく分からないままである。

当面は、主人を失った野良の魔獣たちを封じることになりそうだ。

「赫のグリモア」(A-10)2話より、契約者と認めてねえ
(「赫のグリモア」2話より)

それには、あかずきんとの信頼関係を築くのが不可欠だろう。

契約の力を使って無理やり従えさせるのは若葉には向いてなさそうに見える。

あかずきんが彼女のことを契約者として認めていないのは、素人だからという理由の他に書の魔導士としての覚悟がないことが原因でもある。

とは言え、昨日今日まで何も事情を知らされていなかった彼女にそれを求めるのは酷なことでもあるのだけれど。

「赫のグリモア」(A-10)2話より、風船の魔法
(「赫のグリモア」2話より)

今回は、そんな彼女が書の魔導士として生きていく決意をするエピソード。

迷子になった小さな女の子や、水族館で精気を吸われた人々を魔獣から救うために力を使う。

恐怖で身をすくませながらも、とっさの判断で必要な魔法を使えるあたり、もともと才能は持っているのだろう。

それでも一人で倒すのにはまだまだ程遠い。

心強い相棒がいれば別かもしれないけれどね。

「赫のグリモア」(A-10)2話より、誰にも知られない仕事
(「赫のグリモア」2話より)

事件解決後に二人並んで眺めているところの雰囲気がいい。

若い頃の曾祖母も見ていただろう景色、その始まりはどんな風だったのか。

「自由になる」ことを要求していたあかずきんも、当時の日々はまんざらでもなさそうだった。

この空気を共有できる二人ならいいコンビになるに違いない。

 

単行本1巻の発売日は2月8日を予定している。

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