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「異世界おじさん」1巻(殆ど死んでいる)17年振りに異世界から帰還したおじさんとのノスタルジック異文化コメディ

異世界おじさん 1 (MFC)

「異世界おじさん」は殆ど死んでいるによる漫画作品。

SNSでの公開を経て、2018年よりComic Walkerで連載を開始した。

17年振りに異世界から帰還したおじさんと、彼を引き取ることになった甥のたかふみの日常コメディ。

 

17年間の昏睡状態から目覚めたおじさんは、異世界からの帰還者だった……。甥っ子たかふみと共同生活を始めたおじさんが語る、新感覚異世界&異文化コメディ!

(「異世界おじさん 1 (MFC)」より)

おじさんは異世界からの帰還者

交通事故で17年間昏睡状態だった叔父が目覚めたと聞き、甥のたかふみが病室を訪ねると、そこには未知の言語を操るおじさんの姿があった。

「異世界おじさん」(殆ど死んでいる)1巻より、病院で目覚めたおじさん
(「異世界おじさん」1巻より) 

看護師さんが全く動じてない所を見ると、そういう扱いなのだろう。

おじさんは17年の間「グランバハマル」と呼ばれる異世界にいたという。

剣と魔法の世界で冒険者として過ごし、ようやく帰ってこれたのである。

ただ、やはり17年は長すぎたようだ。

おじさんが眠っている間に世界は大きく変わり、喜んでくれるはずの家族はすでに離散してしまっていた。

差し当たっては生計を立てなければならないのだが、幸いおじさんには異世界で身につけた特技がある。

これは、なるしか…ないな? YouTuberに。

おじさんがYouTuberに?

たかふみの協力で新たな道を歩き出したおじさんには、こちらの世界でも有効な技の数々を使って動画配信に活かせるという強みがあった。

移動魔法や収納魔法、ちょっとした攻撃魔法なども便利そうだ。

「異世界おじさん」(殆ど死んでいる)1巻より、おじさんの収納魔法
(「異世界おじさん」1巻より) 

これからおじさんが人気者になるのかどうか、そこは実は大した問題ではない。

本作は、異世界からの帰還者が元の世界での生活に適応していく物語でもあるのだが、そこもまあいい。

一番気になるのは表紙で目立っている女の子の存在なのである。

彼女は一体何者なのか? 

ツンデレエルフとおじさん

彼女はかつて危ないところをおじさんに救われたエルフの女の子。

それ以来、おじさんの周囲に現れては事あるごとに罵ってくるのだという。

旅立ちの当時17歳のゲームオタクでSE●A信者であったおじさんは、ツンデレの概念も知らず、女性心理にも疎かった。

「異世界おじさん」(殆ど死んでいる)1巻より、おじさんのピンチを救ったエルフの女の子
(「異世界おじさん」1巻より) 

お世辞にもハンサムとは言い難く、美男美女だらけの異世界ではオークの亜種と見間違えられるほどで、ずっとソロプレイを続けてきたらしい。

なぜなら彼女を数に入れる考えはなかったようなのだ。

その言動を見るに、彼女は一生つきまとう気であり、明らかに彼に好意を抱いているのだが、そんなことを気にもかけないおじさんはことごとくフラグをへし折っていく。

「異世界おじさん」(殆ど死んでいる)1巻より、パーカーを気に入ったエルフの女の子
(「異世界おじさん」1巻より) 

彼女の典型的なツンデレ反応に対するおじさんの眼差しの冷ややかさよ。

こんな扱いだからおじさんの異世界話の中でも省略されかけたりするのだけど、小出しにされる彼女の情報が気になってしょうがない。

その後の彼女は報われているのだろうか。

そしてそんなおじさんを似たような眼差しで見つめる人物がこちらの世界にも。

「異世界おじさん」(殆ど死んでいる)1巻より、おじさんに殺意を抱く藤宮
(「異世界おじさん」1巻より) 

おじさんの存在を理由にルームシェアを断られた藤宮の闇の力がおじさんを狙う? 的な展開もありそうで楽しみである。 

 

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