「MAO」は高橋留美子による漫画作品。
週刊少年サンデーで2019年5月より連載を開始した。
11話は、鐘臨教の教祖と宗玄と対峙する摩緒たち。
中学三年の黄葉菜花(きば なのか)はかつて事故に遭った地を通ると大正時代へ。そこで出会った陰陽師・摩緒による菜花=「妖」説の謎を解くため彼と行動することに。菜花は摩緒と同じ蠱毒"猫鬼"に呪わてた可能性あり。さらに猫鬼は寿命を操えることが判明。そこで同じ術を使う教祖鐘呼を調べると嘘だと発覚し…
(前回までのあらすじ:「「MAO」(高橋留美子)11話 ―呪い返し―」より)
前回はこちら。
本物の呪いの力
教団の隠し部屋から脱出して合流した菜花たちだったが、そこに邪魔者を排除しに来た宗玄が現れた。
彼は依子の父親にしたように、菜花たちも呪法で始末すると宣言するのだが…
彼が写本で学んだ魘魅の呪法とは相手に模した人形を利用したもので、おなじみの藁人形もその一種であるという。
いずれも即効性はなさそうだが、この状況でそれを口にした宗玄の意図は何なのか。
奥の手があると見せかけて戦いを優位に運ばせたいためか、菜花や乙弥が恐怖で投降すると考えてか。
だが本職の摩緒の前で出したのは逆効果であった。
摩緒が使役する鬼神によって、自身が行った呪いの力を見せつけられることになるのである。
この宗玄も実際に修行していたのは本当らしく、呪法の成功もあと一歩のところだったようだ。
最後まで強く信じることができずに、毒殺という現実的な方法に頼ってしまった。
自分の娘が力を持っていることが判明した後も、彼女に夢を託してその環境作りに邁進していったのかもしれない。
多くの信者を得るために、予言を実現するために汚れ仕事を請け負ったのも、我が子を思っての事だったなら悲しいね。
鐘呼の最後の望みであると思われる「世界の終わり」における救済を叶えようとしていたのならなおさら。
でもここで教祖があっさり自首を言い出したのは意外だった。
逃げられない状況ではあったけれど、その日が来るまでは何とか続ける方法を選ぶのではないかと思っていた。
結果として、今回の一件で被害が大きくなる方向に向かってしまうだろう。
予言の内容の「大地が裂け大きな炎の竜巻が帝都を襲う」と菜花の遭った事故と関連があるのかどうか、期日までにできることは何か?
今月号で単行本1巻の発売日が発表された。
9月18日頃で、「高橋留美子傑作集 魔女とディナー」も同時発売の予定とのことである。