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「ゆびさきと恋々」1巻(森下suu)聴覚障碍を持つ女の子と世界を旅するバックパッカーの男の子のラブストーリー。

デザート新連載「ゆびさきと恋々」(森下suu)1巻(デザートコミックス)

「ゆびさきと恋々れんれん」は森下suuによる漫画作品。

月刊デザートで2019年7月より連載を開始した。

聴覚障碍を持つ女の子と世界を旅するバックパッカーの男の子のラブストーリー。

外国人旅行者に道を聞かれ困っていたところを助けられた雪は、彼の自然な接し方に好感を抱き、大学の友人に相談するのだが…

この手で『好き』って伝えたい

「日々蝶々」「ショートケーキケーキ」の大人気漫画家・森下suuが本格新連載♥ 聴覚障がいのある女の子と世界を飛び回る男の子のピュアラブストーリー。あなたと出会って、世界が変わる鼓動がした。想いが降り…、積もり…、募って―― 恋へと育っていく――

(「ゆびさきと恋々(1) (デザートコミックス)」より)

耳の聞こえない女の子の初恋

雪を助けてくれた青年は、彼女にも心当たりのある相手。

直接の知り合いではないが、友人と同じサークルのメンバーであることを覚えていた。

デザート新連載「ゆびさきと恋々」(森下suu)1巻より、りんと雪の連絡先をきく作戦
(「ゆびさきと恋々」1巻より) 

りんは、もともと雪の受講をサポートしてくれている一つ上の先輩でもあり、彼女に気になる相手ができたことをとても喜んでくれるのである。

青年はりんの憧れているカフェバーの店長の従兄弟で、その店でアルバイトをしているのだという。

そしてここに、共通の目的を持った同志が誕生することとなった。

 

本作では、この2組の恋模様が描かれていきそうである。

好きな人の前では緊張してガチガチになるりんも雪が隣にいればいくらかマシになるようだし、雪もりんのフォローがあれば安心だろう。

デザート新連載「ゆびさきと恋々」(森下suu)1巻より、逸臣の働くバーにやってきた
(「ゆびさきと恋々」1巻より) 

彼女の耳は補聴器を付けた状態でも完全な無音ではなくなる程度なので、人の声を識別することができない。

そのため慣れない相手には不思議な顔をされることもあるようだ。

代わりに表情が豊かで、対面では人懐っこさも感じさせるくらいなのだが交友関係はあまり広くない様子。

幼稚園から高校まで少人数のクラスで過ごしてきたせいもあるのだろう。

なので逸臣が世界を広げてくれる存在になるかもしれない。

デザート新連載「ゆびさきと恋々」(森下suu)1巻より、逸臣に手話を教える雪
(「ゆびさきと恋々」1巻より) 

必然的に手話のシーンが多く登場するが、作中で使用されているのは『日本語対応手話』とのこと。

普段から海外に旅行に出掛け外国語を学んでいる逸臣は、手話にも興味を持って積極的に覚えようとしてくれる。

彼の距離感の近さにドキドキなのである。

雪の方は早い段階で恋愛感情を自覚しているけれど逸臣の方はどうだろうね。

その辺りの事は次巻以降のお楽しみだが、表紙の甘々な感じがいつか見られるのかも。

店の常連らしい逸臣の同級生がライバル候補になるのかどうか。

デザート新連載「ゆびさきと恋々」(森下suu)1巻より、逸臣の友人たち
(「ゆびさきと恋々」1巻より) 

このお姉さんの方は気になるぞ。

 

作者はこれまで主にマーガレットで連載を続けてきたが、デザートへの移籍の経緯や手話を題材にするにあたっての取材の裏話などをインタビューで読むことができるので参考に。

マキロ(原作):「聴覚障がい」というテーマだけれど、「ほとんど恋愛もの」という見方をしてもらってもいいですし、雪の「本当の音がない世界」もちゃんと描きたいと思っています。

なちやん(作画):私は「勇気が出ないな」という時に、一歩その助けになるような感じのマンガが描きたい。そういう気持ちで描いています。

(「『ゆびさきと恋々』連載記念 森下suu先生 インタビュー 後編|スピカワークス|note」より)

 

本作の他にも「捕食系ヒロインにあと1年以内に食べられます」(ガンガンONLINE)や「わかメン 〜The Mineral Boys〜」(なかよし)などのコメディ作品を同時に連載するなど別ジャンルへの意欲も見せている。

 

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