「MAO」は高橋留美子による漫画作品。
週刊少年サンデーで2019年5月より連載を開始した。
54話は、摩緒を裏切り者と呼ぶ白眉との対決。
前回はこちら。
これは、同じ「呪い」を背負う摩緒と菜花の “全てを終わらせる” 物語――
中学三年の黄葉菜花(きば なのか)はある門を通り大正時代に漂着。同じ「猫鬼の呪い」の陰陽師の摩緒(まお)と出会う。彼は寿命を操る秘法を継ぐために必要な生贄。故に5人の兄弟子に命を狙われている。摩緒達が気になる事件の黒幕は不知火と共にいた軍人と発覚。さたに正体はかつての兄弟子・白眉だった。彼の目的は…!?
(前回までのあらすじ:「「MAO」(高橋留美子)54話 ―白眉―」より)
兄弟子・白眉との対決
御降家に来る呪詛の依頼を任されていた弟子の一人である白眉。
彼は特に師匠の信頼が厚かったのだという。
仕事の前に巻物を受け取る姿を、摩緒は幾度となく目にしていた。
そんな居場所を奪った相手のことを、今でも恨んでいるだろうか。
不知火たちに協力して御降家を再興させようとしているのか、それとも他に目的があるのかどうか。
五色堂に呼ばれたメンバーで争うはずだった後継者の席は、師匠及び娘の紗那の死による御降家の滅亡で、宙に浮いた形となった。
この場合、条件であった他の参加者や摩緒との戦いを勝ち抜いて生き残ったとしても、当主として認められるのだろうか。
認めるとするならば誰が?
以前の陰陽師としての御降家なら朝廷であり陰陽寮だが、この時代にはすでに廃止されており民間での存続という形になるのだろう。
その分、泰山府君の秘法を修める必要性は昔より上がっているのかもしれない。
実際の仕事を行っていた白眉に幽羅子が揃っているならば、御降家としての体裁は整うはず。
ただ白眉自身が当主の座を狙っているかと言うとそうも思われない。
900年もの間続いている呪いを終わらせたがっているのは確かなのだが。
この呪い、実は死なないのではなく、何度でも生き返ってしまうものらしい。
百火も毒死や溺死から復活してみせたし、戦場を渡り歩いてきた白眉も傷一つ残らなかったと言う。
20年前に二人が再会するまでは。
御降家を滅亡に追いやった裏切り者として敵視される摩緒に、本人も気付いていない事実が発覚か。
猫鬼の呪いだと思っていたものが、逆に加護だと言われ動揺する。
同化した身体と器を守っていると考えれば、それもありえるなと。