「MAO」は高橋留美子による漫画作品。
週刊少年サンデーで2019年5月より連載を開始した。
58話は、猫鬼に関する謎と新たな陰陽師の噂。
前回はこちら。
これは、同じ「呪い」を背負う摩緒と菜花の “全てを終わらせる” 物語――
中学三年の黄葉菜花(きば なのか)はある門を通り大正時代に漂着。同じ「猫鬼の呪い」の陰陽師・摩緒(まお)と出会う。彼は寿命を操る秘法を継ぐのに必要な生贄。故に5人の兄弟子に命を狙われている。摩緒と百火は御降家への愛が強い兄弟子・白眉と再会。5人中4人の兄弟子と次々再会する摩緒がとる次なる行動とは…
(前回までのあらすじ:「「MAO」(高橋留美子)58話 ―マオグイ―」より)
摩緒の猫鬼に対する疑問
猫鬼から聞いた紗那の話をしようと訪れた菜花だが、白眉との戦いの影響で眠っていた摩緒にタイミングを逃していた。
屋敷で行われていた呪いと紗那の関係を、摩緒たちは知らないだろう。
師匠は割と進歩的な人物だったと見え、御降家の発展のためには外部からも積極的に取り入れることにしていたようだ。
蠱毒のために貴重な猫を手に入れたのも、それらの一環であるらしい。
その成果は先の白眉と摩緒の戦いで実証されることとなった。
もし猫鬼をコントロール下に置けるなら、同業者を相手に有利な立場を得られるはず。
結局のところ試みは失敗し、家は滅んでしまったのだと考えられていた。
だが実際はここに介入していた人物がいる。
当時の灰丸に、一体何が起こったのか。
摩緒自身は、藻久不の話していた猫鬼誕生のエピソードには懐疑的なようだ。
例の話には実は不可解な点がある。
他人には懐かない灰丸をどうやって紗那から引き離したのか、そして蠱毒の穴を灰丸が生き延びることができたのはなぜなのか。
特に後者においては、毒虫や蛇に山犬や猪まで喰い殺したというのである。
そんな猫いる? というのが率直な感想なのだが、すでに猫鬼化していたとするなら不思議はない。
もしそうであれば、猫鬼として紗那のそばにいたことになるのだが…
まさか出会いの場面ですでに…?
また久々に登場の貂子からは、不思議な医者の話がもたらされた。
大きな怪我もたちまち治してしまうとの噂だが、しばらくすると元患者たちが姿を消していくというのである。
果たして残る御降家の関係者なのだろうか。