「MAO」は高橋留美子による漫画作品。
週刊少年サンデーで2019年5月より連載を開始した。
59話は、御降家に来る前の摩緒の生活が描かれる。
前回はこちら。
これは、同じ「呪い」を背負う摩緒と菜花の “全てを終わらせる” 物語――
中学三年の黄葉菜花(きば なのか)はある門を通り大正時代に漂着。同じ「猫鬼の呪い」の陰陽師・摩緒(まお)と出会う。彼は寿命を操る秘法を継ぐのに必要な生贄。故に5人の兄弟子に命を狙われている。4人の兄弟子と出会った摩緒に人「土」になる事件の噂が耳に入る。彼は「土」の陰陽師だと推理しているようで…
(前回までのあらすじ:「「MAO」(高橋留美子)59話 ―捨童子の家―」より)
摩緒が御降家に来るまで
噂の町医者を訪ねてやって来た摩緒たちだが、相手はすでに引っ越した後だった。
その治療法というのが土を練って使用するものだという点において、彼には思い出す人物がいるようだ。
御降家に来る前の摩緒の生い立ちについては、不知火の回想にあった断片的なものを除いて全く分かっていなかった。
弟子候補たちが次々と脱落していく洞窟の試練を難なくクリアした彼は、身なりや言動からそれなりの地位のある他家の子供のように見えていたのだが…
気になる点といえば、偶然通り掛かるような場所ではなかったこと。
他にも試練のために利用している家がある可能性も考えられるので、そこまで不自然ではないのだけれど。
当時ぼかされていた「〇〇の家の子」の部分が今回明かされることになった。
身寄りのない子供たちの中から術者の素質のある者を育て斡旋するのを生業としている家のようだ。
そこで一緒に育った大五(だいご)が土属性に非凡な才を見せており、後に摩緒を御降家に連れてきた人物らしい。
そして、ひょっとすると紗那の想い人かもしれない。
このとき灰丸が摩緒に対してとった態度が、その後の運命を決めた可能性がある。
猫鬼がその器として見定めた瞬間だろうか。
また御降家が猫鬼を使役するに当たって必要と判断した出来事なのかも。
大五は摩緒を弟分としてかわいがっていたようだが、幼少期から一貫して野心を持つ彼が五色堂に呼ばれたとしたら?
もし敵側に回ったなら、これ以上ない手強い相手になりそうだ。
「土」を使った治療は術者の間では知られている方法らしいので、大五が直接関わっているのかは定かでないが、近いうちに登場するかもしれない。
その出自から屋敷内の他のモブ弟子にはよく思われていないような描写も見られ、代わりに力や地位を欲したのではないかと思われる。
今も生きているのだとしたらいったいどこに?