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「【推しの子】」16話(赤坂アカ、横槍メンゴ)星野アクアの役者デビュー

「【推しの子】」(赤坂アカ、横槍メンゴ)16話より、プロデューサーの言葉に燃えるアクア

「【推しの子】」は赤坂アカ(原作)、横槍メンゴ(作画)による漫画作品。

週刊ヤングジャンプで2020年4月より連載を開始した。

16話は、ドラマ『今日あま』の最終回の収録でアクアが登場。

 

前回はこちら。

アクアの撮影現場入り

ドラマ『今日あま』の撮影現場へやって来たアクアたち。

二人が一緒に仕事をするのは十数年振りのこと。

赤ん坊らしからぬ存在感を発揮した当時の演技は、前世の記憶を持っているメリットを利用することで生まれたものである。

成長してギャップの埋まった今ではアクア自身の実力が評価されるため、この日が役者として本当のデビューと言えるだろう。

「【推しの子】」(赤坂アカ、横槍メンゴ)16話より、アクアの久々に見せる演技
(「【推しの子】」16話より) 

生まれながらにして自我を持ったアドバンテージは、彼に優れた役者の才能は与えなかったが、今回共演するモデルたちのように勘違いせずに済んだのは幸いだったかもしれない。

裏方志望とは言いながら、やはり諦めきれなかった彼は人知れず練習を続けてきたはずである。

それは重曹ちゃんこと有馬かなにとって、あの日のような演技を見られるよりも嬉しいことだったようだ。

当時のアクアは、異様に早熟な子供の見せる得体のしれない不気味さが、役柄にぴったりハマった部分が大きい。

一緒に現場に来ていたルビーが「いつものお兄ちゃんだったね〜」というほど自然なものだった。

対して今のアクアには技術に基づいた演技が備わっている。

「【推しの子】」(赤坂アカ、横槍メンゴ)16話より、仲間ができたことを喜ぶ有馬かな
(「【推しの子】」16話より) 

それは特別うまいわけではないかもしれないが、努力し続けた結果の表現として、またライバルがライバルのままでいてくれた証なのである。

彼女は周囲から最近見ないねと言われる通り、辛い時代を過ごしてきているようなので、新たに同じ道を進む仲間ができたことを喜んでいるのだろう。

出演者の演技力は二の次な現場であっても、柔軟に対応できる彼女の実力が評価され報われる日がやってきたと。

「【推しの子】」(赤坂アカ、横槍メンゴ)16話より、今まで続けてきて良かった
(「【推しの子】」16話より) 

初めての出会いからは想像できなかったこの笑顔。

これから先、何度でも見られることを願いたい。

 

アクアのもう一つの目的である、プロデューサーの鏑木勝也はアイの過去にどんな関わりを持っていたのか。

本人は小者っぽい印象の冴えないおっさんに見えるが… 

誰に聞かれるかわからない現場で不用意な発言もしているし、さほど重要な人物ではなさそうだ。

「【推しの子】」(赤坂アカ、横槍メンゴ)16話より、プロデューサーの有馬かなへの評価
(「【推しの子】」16話より) 

この言葉を受けて俄然やる気になったアクアの演技はどのようなものになるだろう。

 

単行本2巻は2020年10月16日に発売予定。

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