「MAO」は高橋留美子による漫画作品。
週刊少年サンデーで2019年5月より連載を開始した。
61話は、摩緒の前に現れた謎の女性の正体。
前回はこちら。
これは、同じ「呪い」を背負う摩緒と菜花の “全てを終わらせる” 物語――
中学三年の黄葉菜花(きば なのか)はある門を通り大正時代に漂着。同じ「猫鬼の呪い」の陰陽師・摩緒(まお)と出会う。彼は寿命を操る秘法を継ぐのに必要な生贄で、5人の兄弟子に命を狙われている。摩緒が土の兄弟子を思い出した「人が土化する」事件。これは土門の仕業だと分かった。矢先、摩緒を知る謎の女が来て…
(前回までのあらすじ:「「MAO」(高橋留美子)61話 ―夏野―」より)
土薬を教えた術者とは
人が土化する事件の容疑者である土門を探し当てることに成功した摩緒たち。
瘴毒の強い土薬を使うその男は御降家とは関係のない素人だったが、捜索の際に摩緒が使用した術に反応して訪ねてきた人物がいる。
かつての姉弟子で、土の術者の一人 ・夏野。
実力者ぞろいの土の術者の中でも、大五と並んで特に優秀だったという。
記憶に残るその姿は、呪禁道の御降家にあって異質な存在と言うべきか、唯一攻撃性を持たない弟子として描かれている。
彼女の土薬はどんな怪我でも治せると言われ、人も動物も隔てなく施していた。
土による治療そのものは多くの術者が知っているらしかったが、彼女ほど精度の高いものは稀なのかもしれない。
土門の妻・八重が救われたのはもう数十年前のことで、今までなんとか保ってきたということは相当な力の術である。
暴漢に襲われ命果てようとしていた彼女を不憫に思ってのことだったのだろうか。
摩緒の記憶通りの印象の人物ならばそれも十分に考えられる。
でもそんな夏野がなぜ五色堂に呼ばれたのか。
彼女の言動に気になる点がないこともない。
土門を訪ねた摩緒の前にタイミングよく現れたのはどういうわけか。
そもそも摩緒が放った捜索用の符蝶は、患者に塗られていたものと同じ薬を持っている人物を探すためのものだった。
そして、土門自身も教わった通りに作っていたつもりだと言う。
もしも彼の作り方が悪かったために起こった事件でないとすれば…
摩緒も何か思うところがあったようだが、今回はそのまま別れていた。
意図的にやっていたとしても理由が分からないのでしばらく様子見かな。
猫鬼騒動に先立って起こったという事件と、まだ語られていない大五のその後の消息に関わることだろうか。
その犯人を追っているとかなら協力することもありそうだ。