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「さよなら私のクラマー」55話(新川直司)そして次の試合へ【最終話】

「さよなら私のクラマー」(新川直司)55話(最終話)より、我々が埼玉王者だ

「さよなら私のクラマー」は新川直司による漫画作品。

月刊少年マガジンで2016年5月より連載を開始した。

55話、半年振りの浦和邦成との対戦は決勝リーグ最後の試合、ここ10年変わらない埼玉の覇権にワラビーズが挑む。

ちなみに今回が最終話である。

 

前回はこちら。

2021年4月に「さよならフットボール」と一緒にアニメ化されることが発表されている。

浦和邦成との対決へ

埼玉芳花戦を制して関東大会出場を確実なものにしたワラビーズ。

決勝リーグ最後の相手は、県内無敵の埼玉王者・浦和邦成である。

前回の対戦では個人技が通用する場面があったものの、チームとしてはまだまだ力及ばなかった。

あれから経験を積み新戦術を携えてどのくらい成長したのか、その成果が問われる試合となるだろう。

「さよなら私のクラマー」(新川直司)55話(最終話)より、埼玉王者・浦和邦成の背中
(「さよなら私のクラマー」55話より) 

先のインターハイでは3位と全国トップレベルの相手に対してどれだけ通用するか、今回はそれだけでなく勝ちにいきたいところ。

長らく弱小と言われ続けてきたワラビーズも、そろそろ返上してもいい頃だ。 

いつしか愛着も出てきたのか嫌いではないらしいけれど。

恩田や周防に曽志崎を中心に将来性のある選手が集まり、優秀な指導者が揃って練習のための環境も整ってきた。

1年後や2年後には全国屈指の強豪校として名を連ねているのは間違いないだろう。

「さよなら私のクラマー」(新川直司)55話(最終話)より、サッカーへの接し方に悩む恩田希
(「さよなら私のクラマー」55話より) 

その先に彼女たちがどんな道を歩むのか、このまま見ていたかったのだけどね。

どうやらそれは各々で想像するしかないようだ。

僕個人としてはもっと先を読みたいですし、新川直司先生にはできることなら終了せずに続けていただきたいです。ですが、無理やり話を伸ばすよりは、当初の予定通り終わらせる方が読者の皆さまに良いものを届けられると考えました。

新川直司「さよなら私のクラマー」が月マガで完結、編集長からのコメントも(コメントあり) - コミックナタリー) 

掲載している月マガの編集長のコメントによると予定していた終わり方とのこと。

確かに毎月追っていると、この浦和戦で完結させる事はさほど意外ではないのである。

さすがに次回最終話のタイミングで言われると驚くけれど、作者は再戦を描くつもりがないのではないかという気はしていたものなので。

今思えば久乃木学園との練習試合から始まった構成もそのためなのだろうね。

ただ描かれなかった部分も多いので余韻という言葉で片付けられるのかどうか。

「さよなら私のクラマー」(新川直司)55話(最終話)より、あんたと違うチームでよかった
(「さよなら私のクラマー」55話より) 

とりあえず今回の最終話には満足している。

これはこれでいい終わり方なんじゃないかなと。

番外編というかおまけで見てみたいのは、前作で不憫な扱いのままだった弟・恩田順平のエピソードだな。

来年は男子サッカー部にゴールデンルーキーとして入ってくるはずなので、合同練習で姉弟対決なんて場面もありえるかも。

「さよなら私のクラマー」(新川直司)55話(最終話)より、試合前の円陣
(「さよなら私のクラマー」55話より) 

ワラビーズの未来に幸あらんことを。

ちなみに、今回初めてタイトルにもあるクラマーの言葉が登場した。

作中で紹介されている「試合終了の笛は試合開始の笛だ」の他に、「試合終了のホイッスルは、次の試合へのキックオフの笛である」として知られているようだ。

 

単行本14巻は2021年4月1日に発売!

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