「MAO」は高橋留美子による漫画作品。
週刊少年サンデーで2019年5月より連載を開始した。
73話は、結界に誘われた双馬がたどり着いたのは加神家の屋敷で…
前回はこちら。
これは、同じ「呪い」を背負う摩緒と菜花の “全てを終わらせる” 物語――
15歳の黄葉菜花(きば なのか)は大正時代にて同じ「猫鬼の呪い」の摩緒(まお)と出会う。彼は陰陽師の名家・御降家の後継者5人が狙う生贄。未だ続く5人の兄弟子と想い人・紗那との因縁を清算する! 一行は獣を宿す呪いにかけられた一族・加神家と遭遇。その呪いは幽羅子の邪気に似ている。両者にどのような関係が?
(前回までのあらすじ:「「MAO」(高橋留美子)73話 ―加神家の家宝―」より)
加神家の家宝の巻物の秘密
声に誘われて結界の中に消えた双馬は、気がつくと家の中に戻っていた。
ただし兄を追って飛び出す前とは様子が変わっているようだ。
弟たちの気配がしない上に、亡くなったはずの祖母の姿が消えている。
荒らされた跡はないものの、侵入者を疑うのは自然な話だろう。
この場所に呼び戻した者は何が狙いなのか。
ここに加神家と御降家の関わりが明かされるのである。
双馬の家に代々伝わる家宝の巻物にその秘密はあった。
かつて呪詛の仕事を命じられた白眉が、師匠から巻物を受け取る姿が度々見られていたが、これがそのものなのだろうか。
本体は紗那の中に居たのだろうし、唯一無二のものとは限らないが、外部に流出すると危険なのは確かである。
普段は館の宝物庫に収められていたはず。
あの御降家が滅んだ日に、火事の混乱に乗じて盗みだした者がいるということ。
頭角を現すことの叶わなかった弟子たちの中には、それらを売って金銭に変えようとしたり、自ら利用しようと考えた者たちがいるのだろう。
双馬の家もこれまで続けてこれたということは、それなりに力のある術者だったのかもしれない。
ここ最近の獣の暴走の騒ぎで、白眉に身元を突き止められたといったところだろうか。
白眉が扱うとちゃんと御降家の巻物に見えるね。
これが幽羅子の持つ邪気を収めたものであるなら、その中から妖が出て来るのも不思議ではない。
加神家の当主の宿す獣は、特定の個体ではなかったりする?
どういった契約になっているのだろう。
そして巻物を取り戻した白眉は、より危険な存在になっていくのでは。
摩緒としてもそれを警戒しつつも、非情になりきれない部分で双馬と共に巻き込まれていく展開かな。
今回は合併号のため次は2週間後。