「MAO」は高橋留美子による漫画作品。
週刊少年サンデーで2019年5月より連載を開始した。
75話、双馬に届いた弟たちの報せを罠と知りつつ出かけた摩緒だったが…
前回はこちら。
これは、同じ「呪い」を背負う摩緒と菜花の “全てを終わらせる” 物語――
15歳の黄葉菜花(きば なのか)は大正時代にて同じ「猫鬼の呪い」の摩緒(まお)と出会う。彼は陰陽師の名家・御降家の後継者5人が狙う生贄。未だ続く5人の兄弟子と想い人・紗那との因縁を清算する! 御降家が関わる獣を宿す呪い。それを操りたい双馬は白眉と邂逅。一方、双馬を救いたい摩緒。が、彼に裏切られる…
(前回までのあらすじ:「「MAO」(高橋留美子)75話 ―傀儡の針―」より)
白眉の狙いは摩緒?
療養中の双馬が白眉に狙われるのは、あらかじめ予想されていたことである。
その上で摩緒は何とか彼を助けたいと考えている。
ただしそれが本人の望みとは限らないのが厄介なところだろう。
獣への憧れが強いせいか、双馬の言動の危うさが菜花には気になっていた。
実際、乙弥からしてもそうだったらしく、双馬と摩緒が出掛けてから間もなく百火が呼び出されている。
いざとなれば頼もしい存在の兄弟子である。
属性的には白眉に対して優位な立場なので、火力を生かして戦えれば勝機も見えてくるはず。
単純な攻撃は通用しない相手にどう立ち回るのか、前回の攻防を踏まえての対応を期待したい。
気になるのは白眉が摩緒を狙う理由かな。
後継者争いには興味のなさそうな白眉は、五色堂の呪いとは別の動機で動いていると思われるのである。
それは一体何なのか。
この日、白眉の使者としてやって来た少女は、どうやら双馬と同じような立場の人間のようだ。
御降家の宝物殿から盗まれた呪具の行方を探る中で辿り着いた家の末裔で、白眉の力に惹かれたか呪具を餌にされたかで行動を共にしているのだろう。
もし戦力にならなかったとしても呪いの反動を引き受けさせる盾には使えるといったところかな。
それらの道具はもともと猫鬼を使役しようと考えた師匠が集めていたもの。
体内にその力を宿す摩緒にも有効な可能性はある。
限定的なものではないだろうから強力な妖対策にもなっているのではないだろうか。
今回の扉絵の煽り文、白眉は摩緒を猫鬼として見ているということか。
むしろ半妖半人である分、猫鬼そのものより与し易いと考えているのかも。
その先にあるものは陰陽師としての探求か、さらなる野望か。
駆け付けた菜花が戦いに巻き込まれる形で覚醒するのかどうか気になる。