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「夏目友人帳 伍」第八話、歪みなき世界:名取と的場の出会い編【2016秋アニメ】

アニメ「夏目友人帳 伍」第八話より、高校時代の的場と名取

「夏目友人帳」は緑川ゆき原作のアニメシリーズ。

2016年10月より5期の放送中。

今回は第八話、高校時代の名取周一と的場静司の出会い編。

 

前回はこちら。

名取と的場の出会い

妖怪を見える者が絶え廃業した祓い屋の家系に生まれた名取周一。名取は妖怪が見えたため、家族から疎まれていた。そんな名取が高校生の頃、ひょんなことから祓い屋の会合が開かれる事を知る。会場を訪れた名取は、的場一門の御曹司・的場静司や祓い屋のタクマと出会い、妖怪の話ができる会合へと密かに通うようになる。

(あらすじ:アニメ 夏目友人帳 公式サイトより)

祓い屋の名家に生まれた名取周一、彼はこの家で久しぶりに生まれた見える者だった。

一族に見える者が絶え、廃業した現在ではよく思われておらず、災いが起こるのは彼のせいであるかのように言われることすらある。

高校生になった周一は、学校でも親しい相手も作らずにいた。

見えているものや感覚の違いから、かえってくるズレた言葉が不快だった。

 

ある日、祖父を訪ねてきた祓い屋をきっかけに会合の存在を知る。

3日後に石月渓谷で開かれる予定で、「見える奴なら会場はすぐわかる」とのことだった。 

アニメ「夏目友人帳 伍」第八話より、会合の入り口

 

そこで出会った同年代の少年が的場静司。 

祓い屋大家十一家をまとめる的場一門の跡取りだ。

周一より一つ年下で、これまでも会合には潜り込んでいたようだが、今回から一門のいいつけで正式に参加することとなる。

アニメ「夏目友人帳 伍」第八話より、的場静司高校一年

彼は同年代の祓い屋候補、そして名取の名前に興味を示すが、この頃の周一には人当たりの良さはまだない。 

静司の余裕のある態度と他人を品定めするような物言いがひっかかるようだ。 

アニメ「夏目友人帳 伍」第八話より、名取周一高校二年

 

会場に向かう途中に見える木の上に引っかかっている着物。

これはその者の力で見え方が違うという。

力が強い者は赤系に見えるが、周一は濃い赤。

しかし本当に力がある者には、大輪の菊や芍薬の柄が見える。

たとえば静司のように。 

アニメ「夏目友人帳 伍」第八話より、木の上に引っかかった着物

17巻の扉絵では、大輪の菊の柄の着物を羽織った的場静司が描かれている。

 

ここで、もう一つの出会いがある。

祓い屋のタクマ(琢磨洋介)、駆け出しの頃の周一に影響を与えた人物。

彼は他の祓い屋とは少し違っていた。

「妖という不確かな影におびえてしまう心を、人の恐れを祓ってやりたい」

この考え方は、まだ自分の力をどう扱っていいかわからずにいた周一の進む道を指し示してくれたのではないだろうか。

アニメ「夏目友人帳 伍」第八話より、会合で出会った祓い屋タクマ

 

静司と一緒にタクマの家を訪れたこともある。

この頃、馬洗塚に現れる、祓い屋を襲う三本角の大妖が話題になっていて、タクマも怪我をしていた。

やがて周一と静司は一緒に妖退治に向かうことになるが。

アニメ「夏目友人帳 伍」第八話より、タクマを見舞う名取と的場

こんな静司の笑顔が見れるのもめずらしい。

 

娘の月子も一瞬登場。 

またいずれ出番が来るだろう。 

アニメ「夏目友人帳 伍」第八話より、タクマと娘の月子

 

会合に通い、実家の蔵で資料を調べて独学で術を覚えた周一は三本角の妖に挑戦する。

祓うことができれば一目置かれることになるが、はじめての相手としては荷が重い。

他の祓い屋たちも手を焼いているほどの妖なのだ。

周一にとっては不本意だろうが、静司との協力で事に当たるのが妥当であるはず。

しかし、「自分の力がどこまで通用するのか試してみたい」との言葉を静司に笑われた周一はむっとする。

 

一方、静司にはそんな青臭さはない。

この頃にはすでに的場一門をまとめる立場になることへの覚悟ができていて、当主に待ち受ける宿命も受け入れている。

しっかりと現実を見据えているところがある。

アニメ「夏目友人帳 伍」第八話より、的場静司

「強くならないと、何も守れないよ」 

この彼の揺るがなさは、周一に少なからず衝撃を与えたようだ。

背負っているものの重さ。 

 「おれの肩には何にも乗ってないんだな。だからぐらぐらと世界が揺らいで見えるんだろうか。」

心を揺らさず、強くて正しい祓い屋になりたい。

周りを傷つけない、やさしい人間に。

 

出会うタイミングが違えば仲良くなれたのだろうか。

的場は普通に仲良くなりたそうだったのだが、お互いに距離感がつかめてなさそうでもどかしい。 

彼の言葉は正論だけど歯に衣着せぬ物言いは回りの人間を傷つけてしまう場合がある。

後に夏目に、使う言葉を間違ってしまうと語っていたので自覚はあるんだろうね。 

あとがき

最後の、窓辺に座る二人と飛行機雲のとこよかったね。

次回は第九話、「険しきをゆく」 。

今から観るならdアニメストアが過去シーズンもカバーしているのでおすすめ。

 

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