「ババンババンバンバンパイア」は奥嶋ひろまさによる漫画作品。
2021年10月より別冊少年チャンピオンで連載を開始した。
帯の言葉は「浴場のバンパイア、純情童貞に欲情中」とかなりベタであるが、むしろこっちが先なのではという気がしないでもない。
ちなみにドタバタBLと紹介されている例もあり、ボーイズラブかと思いきやブラッディラブコメの略とのこと。
なるほど。
そしてこのタイトルがまたズルいのだ。
老舗銭湯で住み込みバイトをする蘭丸。彼の正体は齢450の吸血鬼。究極の味わいである「18歳童貞の血」を求め、銭湯の一人息子・李仁くん(15歳・童貞)の操を守り続けている。ところが、思春期を迎えた李仁くんに異変発生!! 同じクラスの女の子に一目ぼれしてしまったのだ!! 「李仁くんの童貞は絶対に死守する!!」 蘭丸、決死の童貞喪失阻止作戦が幕を開ける…!!
銭湯のバンパイア・森蘭丸450歳
老舗の銭湯「こいの湯」には、住み込みで働く吸血鬼がいる。
営業時間後の深夜に掃除と仕込みをするスタイルは彼にとって都合がいいらしく、その仕事振りにも定評があるようだ。
とは言え、なぜ銭湯なのか。
450年を生きてきたという彼にとって、10年の月日はほんの一時かもしれない。
人間社会に溶け込むための手段としては意外性はあるものの、数多ある職業の中からこれを選んだ理由は気になるところ。
実際には偶然と言えば偶然、運命と言えば運命の出会いから始まっていた。
とある組織に追われ、行き倒れていた彼を助けてくれたのが、まだ幼かった李仁少年。
将来こいの湯の4代目になるかもしれない人物である。
それ以来、少年が穢れないようにすぐ側で見守ってきた。
命の恩人だから、少年の行く末を心配してのことだろうか?
否、むしろ獲物として最高の状態に育ち切るのを待っているようだ。
18歳童貞、それも美しい魂の持ち主の血こそ至高!
その点、少年は100年に1度の逸材なのだという。
本作は、吸血鬼・森蘭丸が李仁少年の純潔を守るために全力を尽くす物語である。
あと少しで極上の血を手に入れられるはずなのだが、その前に最大の難関が待ち受けていた。
李仁少年は思春期なのだ。
これから恋もするだろうし、彼女だってできるかもしれない。
いやある意味恋は童貞の純度を上げるとも言えるか?
それでも最後の一線は守る必要があった。
「童貞喪失絶対阻止!」
人知れず暗躍する蘭丸は、至高の純血を手に入れられるのか?
もちろん恋には相手が必要。
恋愛成就を妨げるためには手段は選んでいられない。
意外なところでポンコツ具合を発揮する蘭丸の様子もなかなか楽しい。