「流星傘下」はミナヅキアキラによる漫画作品。
少年マガジンエッジで2016年4月号より連載を開始した。
星が降り注ぎ人が地上に住めなくなった世界。自らの吐息で空に幕をはり、降星を弾く天幕と呼ばれる存在がいた。
(「流星傘下(1) (少年マガジンエッジコミックス)」より)
あらすじ
ドレンチェスタの街は400年の間、”天幕様”ドラセナによって守られてきた。
たびたび隕石が落ち、人々が地下に住処を求めた世界で、ここだけは違う。
街全体が天幕と呼ばれる空気の幕で覆われ、 直撃での被害は避けられるようになっている。
ドラセナは街の中央部にある温室で警戒にあたり、秘書的な存在のエレナや護幕隊のヨランに囲まれているが、悩みがひとつある。
永い時を生きるドラセナは、街の人々が生まれ育ち、やがて年老いていくのを見ていかなければならない。
ある日、街の外から来ている鉄売りの行商の車に、自分と同じ特徴を持つ人物がいるのを見つける。
自分以外に”天幕”が存在するのだろうか、ドラセナは外の世界に興味を持ち始める。
星の降る街
僕のためいきは
星の雨をさえぎる傘だ
屋根の上で星を待ち構えるドラセナ。
普段から幕は張られているが、降星の規模によって追加されるようだ。
街の中で一番高い位置にあり、降星に対応するために建物から離れることはあまりない。
そのため、見回りで街に出るのは楽しみのひとつ。
黒い髪に黒い瞳は天幕にしかない特徴と言われている。
街の外に住む女性、ヨシノはその特徴を備えていた。
彼女は、天幕としての能力は退化してほぼ人と変わらない状態ではあったが、自分以外に天幕がいたという事実に希望が見える。
ヨシノをこの地に連れてきたのは天幕である親なのか、それとも人なのか。
天幕がどうやって生まれてくるのかさえ謎だった。
衰弱する世界の希望
ぼくがてんまくになったらねぇ
ドラセナもうさみしくないよ
外の世界に天幕の住む地があるかもしれない。
護幕隊長のヨランと、ヨシノの息子アンリ。
この二人にとって探索はその後も持ち続ける夢になる。
街の外は、度重なる降星で荒れ地になり、資源や食料もこの先いつまで確保できるか保証はない。
アンリは天幕としての特徴は継いではいなかったが、可能性がないともいいきれない。
すべては天幕の国を見つけることにかかっているのかもしれない。
あとがき
次巻からは成長したアンリの活躍が見られそうな終わり方。
この作者はBL出身の作家さんらしく、初めて読んだけど楽しみだ。
終盤で出てくるアクションシーンの、剣を持つ手が左右頓着してなさそうなのが気になるかな。