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「人形の国」1巻(弐瓶勉)遠い未来の変身ヒーローもの

「人形の国」(弐瓶勉)1巻 (シリウスコミックス)

「人形の国」は弐瓶勉(にへい つとむ)による漫画作品。

2017年2月より月刊少年シリウスで連載を開始した。

第1話が86ページの大ボリュームだったこともあり、早くも1巻の登場である。

遺跡層におおわれた巨大人工天体「アポシムズ」。危険な「自動機械」や「人形病」に侵された者たちが彷徨う極寒の地表で暮らすエオ、ビコ、エスロー達は行軍訓練のさなか、強大なリベドア帝国の兵士に追われる不思議な少女を助ける。少女から託された「コード」と「七つの弾丸」、それは世界の運命を大きく変えるものだった……!! 『BLAME!』『シドニアの騎士』の弐瓶勉が描くダーク・アドベンチャー・ファンタジー開幕!

(「講談社コミックプラス」より)

追われる少女

その日、エスローは生徒たちを連れて地下の遺跡層へ出かけていた。

アポシムズと呼ばれるこの人口の星で、極寒の地上に暮らす人々は、糧を得るために地下に潜る必要がある。

そこは深く、危険なものと遭遇する可能性もある場所だった。

さらに中心部には、超構造体の殻に覆われた地底世界があると言われている。

 

かつて戦争があり、敗れた人々が地表に取り残されて何とか生き延びていると伝えられるが、何十世紀も経った現在では詳しく知るものも少ない。

遺跡層の中で食料となるパイプの実の群生を発見した彼らは、予定より早めに切り上げ地上に出た。

そこで目にしたものは、何者かに追われている少女の姿。

「人形の国」(弐瓶勉)1巻より、リベドア帝国兵に追われていたタイターニア
(「人形の国」1話より)

追手がリベドア帝国の兵士である事を確認したエスローは関わらない方がいいと判断するが、生徒の一人が制止を振りきって向かってしまう。

少女はある物を持って逃げている途中だったのだが、それはリベドア皇帝の手に渡れば世界が終わるという危険な代物だった。

やむなく兵士たちを殺害したエスローは、これまで想像もしなかった争いに巻き込まれていく。

辺境の城

 

「人形の国」(弐瓶勉)1巻より、リベドア帝国から逃れるために移住を決定
(「人形の国」1話より)

エスローたちが暮らしているのは三方を崖に囲まれた建造物で、彼らは城と呼んでいる。

一族をまとめるのはゼゾ。

彼はこの中で唯一の正規人形であった。

 

タイトルにもある人形とは何者なのか。

現時点で分かっているのは、地上においてはこの正規人形が絶大な力を持ち、多くを抱える帝国が最大勢力らしいこと。

正規に対しては、逃げていた少女タイターニアのような自動機械や、アポシムズで蔓延している「人形病」に罹った機械化ゾンビのような存在がある。

 

報告を受けたゼゾは、全員の移住を決意する。 

彼は帝国の恐ろしさを知っていた。 

変身ヒーローもの?

本作の印象として、仮面ライダーみたいという意見をよく見かけるが、正規人形の戦闘は体を鎧化して行う。 

特に最初に登場する敵の正規人形のイーユは触角もあって虫っぽいかも。

エスローの相棒になるタイターニアが随時解説してくれる。 

「人形の国」(弐瓶勉)1巻より、エスローの鎧化した初の戦闘
(「人形の国」1話より)

胸元からちょこんと顔を出しているのがかわいい。

普段の彼女は小さな折りたたみ式の自動機械の姿。

1巻で重要な用語はエナとヘイグス粒子で、これは作者の過去作にも登場するスターシステム的なものらしい。

エナは外観に関わる物質で、本体が骨格剥き出しの正規人形に人間の姿や服、鎧を形作るもの。

その際必要なエネルギーがヘイグス粒子で、蓄積できる量は個人によって限度があるが、敵を倒してエナを奪うことで容量を増やすことが可能。

世界観も過去のシリーズを知っている人には入りやすいのかも。

今作が初めてなので用語集も調べてみたんだけど、その分量にめげそうになった。

 

「人形の国」(弐瓶勉)1巻より、タイターニアが消化のお手伝い
(「人形の国」2話より)

この世界では機械も飲食できるようだ。

弱って固形物を受け付けないエスローのためにタイターニアが液状化してくれる。

確かに機械だけど、人型はかわいい女の子だけど、シュールな絵面である。

 

これから二人の帝国と戦うための旅が始まる。

アポシムズはかなり巨大な天体だが、帝国以外の国はどうなっているのか。
対抗できるところはまだ残っているのだろうか。

地底の住人は人なのかとか気になるね。

 

以前公開された読み切り版ではエスローたちに出会う前のタイターニアが描かれていて、彼女が出会った少年は地底に人形の国があると信じていたが果たして。

 

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