「SHIORI EXPERIENCE ジミなわたしとヘンなおじさん」は、長田悠幸(作画)、町田一八(構成協力)による漫画作品。
月刊ビッグガンガンで2013年より連載を開始した。
“ジミ”なアラサー高校教師・本田紫織は、 アフロヘアの“ヘン”なサイケおじさんに取り憑かれちゃって生活一変。
私の人生、この先どうなるの!?(「SHIORI EXPERIENCE ジミなわたしとヘンなおじさん 1巻 (デジタル版ビッグガンガンコミックス)」より)
CROSS ROADの契約とアフロのおじさん
高校で英語を教えている本田紫織は冴えない教師であった。
生徒や他の教師たちにも名前を覚えられないくらいの存在感のなさで、「地味先」とアダ名されるほど。
化粧っけもなく、趣味は家事と節約。
多額の借金を作って失踪した兄のために、家族は苦労してきたのだった。
卒業式も間近で、三年生を送る会を控えた夜、そんな彼女の前に見覚えのない男が現れた。
そのアフロのおじさんの話によると、紫織は音楽の悪魔と“CROSS ROAD”の契りを交わしたことになっているという。
命と引き換えに超絶的な音楽の技術を手に入れることができることができる。
三菱学園はサッカー部と吹奏楽部が優秀で、全国でも活躍し三送会でもメインイベントを務める。
紫織はもともと教員による劇で、駆け寄る観客B役のはずだったのだが、吹奏楽の編成の中にギターを見つけたアフロのおじさんによって、演奏に飛び入り参加をする羽目になるのだった。
これが、”ジャキーン(JACK in)” 。
プラグが刺さっている時は超絶タイムである。
アフロのおじさんは、1巻中では名乗らないので何者なのかは分からないが、こんな演奏をしそうな気はする。
この能力を使えば、時の人となることも可能かもしれない。
だが紫織自身がそれを望んでいないこともあってか、おじさんは火をつけるにとどめている点がいいところだ。
残りは本人の力で持っていく。
忘れかけていたのはアフロのおじさんだけではない。
彼女もまたそうだった。
10年前、バンドに夢中だった紫織の人生を変えることになった兄の失踪。
それ以来、地味で堅実な生き方をしてきた。
久しぶりに手にしたギターは、彼女に情熱を思い出させてくれる。
楽しくてしかたがなかった日々を。
期限は365日
ひとつの問題は、”CROSS ROAD”の契約の条件で、27歳が終わるまでに伝説を作れなければ命を落とすことになるということ。
本田紫織27歳、もう時間は残されていない。
この後は仲間を見つけて活動開始という展開が待っているはずだが、足りない時間をどう解決していくのか見ものだ。
最初のメンバーになる、吹奏楽部をクビになったアルトサックス担当の井鈴。
ドジっ子だが素直そうな女の子。
二人は技術は未熟でも、音楽への情熱だけはある。
一番愚かなのは自分の“魂の叫び(ブルース)”に従わないことだ
やりたい気持ちがあるならいつでも始めればいい。
また三送会で演奏の見せ場を持って行かれた吹奏楽部の鬼顧問すばる先生や部長の光岡との関係も気になる。