午前3時の太陽

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「映像研には手を出すな!」(大童澄瞳)目指すのはアニメーションで描く最強の世界

漫画「映像研には手を出すな!」(大童澄瞳)1巻 (ビッグコミックス)

「映像研には手を出すな!」は大童澄瞳(おおわらすみと)による漫画作品。

月刊スピリッツで連載中。

好きなものを貫く楽しさがあふれている。 

あらすじ

アニメは「設定が命」の浅草みどり、カリスマ読モでアニメーター志望の水崎ツバメ、金儲けが大好きな美脚の金森さやか。
ダンジョンへ、戦場へ、宇宙へ--想像の翼を広げて、電撃3人娘が「最強の世界(映像)」を創り出す!

度重なる増改築によって複雑な構造を持つ、ダンジョンのような芝浜高校。

新入生の浅草みどりと友人の金森さやかは、アニメ研究会の部活見学中に黒服の男に追われている水崎ツバメと出会う。

彼女はアニメーター志望であったが、両親に入部を反対されていた。

意気投合した三人は、アニメ制作のための新しい部を立ち上げることになる。

映像研究同好会のはじまり 

浅草は、子供の頃から物語の世界を空想して設定画を描くことが好きな女の子。

水崎は役者の両親を持ち、自らも読者モデルとして活躍しているが、アニメーターを目指している。

そして暴走しがちな二人の歯止め役として、制作に向かわせるプロデューサー的な存在が金森である。

漫画「映像研には手を出すな!」(大童澄瞳)1巻より、部室に向かう映像研メンバー
(「映像研には手を出すな!」2話より)

新しい部室に向かう場面でもそれぞれの性格がよく出ている。

秘密基地を見つけた小学生男子のようだ。

水崎氏は思いの外やんちゃで、浅草氏も伝説の剣的な棒を見つけて喜んでいる。

誰にでも見せる姿ではないのだけど、子供心を忘れないこういう部分がものづくりには必要なんだろうね。

 

背景を描いていた浅草とキャラクターを描いていた水崎の初の合作は、それぞれの絵を重ねて透かし見るというシンプルなもの。

別々の物だった絵の世界観がうまく混ざり合ってひとつの物語を感じさせる。

漫画「映像研には手を出すな!」(大童澄瞳)1巻より、浅草と水崎初めての合作
(「映像研には手を出すな!」1話より)

この世界観の共有は作中で特に力を入れて描かれているもの。

三人はしばしば空想の世界に入り込んで冒険に乗り出す。

これは浅草の詳細な設定があってこそだろうが、制作過程の臨場感が伝わってきて見ているこちらもワクワクしてくる。

漫画「映像研には手を出すな!」(大童澄瞳)1巻より、風車に動きを出すアニメ演出
(「映像研には手を出すな!」3話より)

「これが我々の作る、最強の風車だ。」 

風車の動きを表現するのに、風の流れを作りたい。

そのために背後のビルに穴を空け、滝を作って水しぶきを上げさせる。 

空想の世界だから自由だ。 

 

そんな彼女たちの情熱をうまく誘導して完成に漕ぎ着けさせるのは金森氏の役目。

教師陣や生徒会相手でも物怖じしない彼女の交渉力は部にとって不可欠。

漫画「映像研には手を出すな!」(大童澄瞳)1巻より、予算審議委員会での金森
(「映像研には手を出すな!」7話より)

たった三人の映像研だけど、必要な人材が揃っていて、これからの活動が楽しみになってくる。

今後新メンバーが入ってくるのかもしれないが、生徒会の言葉にある「こいつらに予算渡したらどうなんだろうな。」という期待感にも納得できる後味である。 

あとがき

作者は23歳でこれがデビュー作とのこと。

美術学校出身でアニメの勉強もしていたらしく、空間の捉え方がうまい。

キャラも立ってるし、いずれはアニメ化もされるんじゃないかな。 

 

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