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「恋情デスペラード」6巻(アントンシク)紋子の過去と旅の続き

「恋情デスペラード」はアントンシクによる漫画作品。

ゲッサンで2015年より連載を開始した。

6巻は、「居神(オリガミ)」の 首領ダーク帯刀のもとでニンジャ・アサシンとしての英才教育を受けていた幼き日の紋子のエピソード。

今再び相見え、過去の因縁の決着を付ける。 

さすらい恋愛慕情…ついに完結!

遡ること10年前――― 紋子は暗殺集団「傀儡の子ら」としての生活を送っていた。その頃の紋子に“感情”などというものはなく、“恋情”なんてものはもってのほかだった。そんな紋子を変えることになったのは一人の男との出会い。その男、通称”長ドスの刃吾”。紋子にとって初恋の男である――― 全ての過去が明らかになる最終巻!!

(「恋情デスペラード(6) (ゲッサン少年サンデーコミックス)」より) 

 

前回はこちら。

長ドスのおじさんとの出会い

サムライたちが刀を捨て、銃に持ち替えた時代に、愛用の長ドス一本を携え旅をする女渡世人・紋子。

彼女の生き方を支えているのは、幼き日の出会いであった。

かつてショーグン継承問題で兄弟が対立したとき、兄ダグラスが襲撃される事件が起きている。

黒幕は言うまでもなく弟のアーサーJr.であり、この時に差し向けられた刺客の一人が紋子である。

「恋情デスペラード」(アントンシク)6巻より、傀儡の子らと長ドスの刃吾の対決
(32話「傀儡の子供たち 中編より」) 

この時にダグラス、六串、紋子は顔を合わせていた。

これが後に江戸のFBIこと八州廻りが紋子を追う切っ掛けなのだろう。

刃雷のお紋の手配書はダグラス側とアーサーJr.側双方の思惑が入り組んでいてわかりにくい点があったが、この件で彼女に興味を持ったのは確かなようだ。

そして、これまで謎に包まれていた長ドスのおじさんの正体が明らかになる。

闇社会で育った紋子に、人としての生き方を教えてくれた人物。 

「恋情デスペラード」(アントンシク)6巻より、おじさんが長ドスにこだわる理由
(33話「傀儡の子供たち 後編より」) 

市中に出たダグラスの用心棒として同行していた渡世人・刃吾は敵ながら紋子の事をいたく気に入り、弟子にならないかと誘うのだった。

八州廻りのレイン文七との対決の際、アーサーJr.を仇として狙っている様子がないことを指摘されていたが、それはおじさんの教えによるもののようだ。

怒りや憎しみ、恨みを生きがいにしないこと。

「恋情デスペラード」(アントンシク)6巻より、弟子入りした紋子とおじさんの短い日々
(35話「ハード・ラック慕情 後編より」) 

一緒に過ごした時間は短くとも、それらは彼女の生き方の指針となった。

そして、恋。

おじさんの残した「お前さんがもうちっと大きくなったら、恋をしてみるのもいいかもしれねぇな。」の言葉を、分からないなりに追いかけてきたのであった。

そちらはもう一人の師とも言えるうらら御師との過去のエピソードも読んでみたかったな。

因縁の決着

紋子にとっては、過去の問題は一度けりが付いた事であるのだろう。

右腕と引き換えに手に入れた自由は、憎しみとともに生きるためのものではない。

人生を変えることになった体験を、あの日々の思いをもう一度味わいたいと考えるのはもっともな話である。

賞金首として追われる身ではあっても、居神にいた頃よりずっと生きている充実感に満ちているはずだ。

そんな彼女に、ダーク帯刀の最強の刺客が立ち塞がる、といったところ。

 

それはそうと、夜叉子の新衣装がよかった。

紋子とのメイド対決で、新たな世界が開いたのね。 

「恋情デスペラード」(アントンシク)6巻より、紋子の助太刀に現れる夜叉子
(36話「お尋ね者恋唄(ソング・フォー・デスペラード)より」) 

もともとかわいい物好きの彼女なので、こっち方面も追求していく姿もいいね。 

 

ただ、今回が最終巻なのである。

終わり方は予め決めてあったんじゃないかと思うが、もっと彼女たちの旅が見たかった。

「恋情デスペラード」(アントンシク)6巻より、日本一の恋情デスペラード
(36話「お尋ね者恋唄(ソング・フォー・デスペラード)より」) 

連載が終わってしまったのは残念だが、最終ページはこれしかないと思えるシーンを切り取ってくれているし、余韻のある締め方でよかったなと。

のんびり次回作を待ちたい。

 

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