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午前3時の太陽

映画と漫画と音楽と。

「あるいは裏切りという名の犬」愛と友情と憎しみの果てに

あるいは裏切りという名の犬(字幕版)

「あるいは裏切りという名の犬」は2004年公開のフランス映画。

1980年代に起きた現金強奪事件と警察内部の権力抗争、“ロワゾー事件”。

警察出身のオリヴィエ・マルシャル監督が、当事者ドミニク・ロワゾーを共同脚本に迎え、かつて親友だった二人の男の対立を描く。

 

あらすじ

パリ警視庁のベテラン、レオ・ヴリンクスはBRI(探索出動班)の主任警視。

相棒で定年退職間近のエディの送別会の翌日、緊急出動命令で呼び出される。

 

管轄内で起きた連続現金強奪事件はここ1年半のうちに9名の死者と200万ユーロの被害を出していた。

業を煮やした長官は、総力体制で挑むことを決定し、レオに指揮を任せるが、そのことに不満を持つのがドニ・クラン。

ドニは、BRB(強盗鎮圧班)の主任警視であり、レオと共に次期長官候補と目されていた。

 

捜査は難航したが、かつてレオの情報屋を務めていた男から連絡が入る。

情報提供の条件は、男の復讐に目を瞑ること。

強盗犯の逮捕か、警官としての責務か。

レオは究極の選択を迫られる。 

予告編動画

36 Quai des Orfèvres - Trailer - YouTube

 

対照的な二人

レオの率いるBRIとドニのBRBはパリ警視庁にあって犬猿の仲であった。

情に厚く、仲間思いのレオに部下も信頼し、次期長官への昇進を望んでいた。

一方、ドニは権力志向が強く、厳格な統制を敷き事件解決への思い入れも人一倍。

解決すれば長官への道が一気に近付くはずだ。

 

かつての二人は同期で、ともに優秀な成績を上げ、親友同士。

そして同じ女性を愛した。

彼女がレオを選んだ時から、ドニは変わった。

残された望みは立派な警官になること。

そのためにすべてを捨て仕事に打ち込んできた。

 

この二人を演じるダニエル・オートゥイユとジェラール・ドパルデューはフランスを代表する俳優で、そのタイプも対照的のようだ。

 

ジェラールは、本能で演じる動物的な俳優です。(中略)役作りあるいは場面に求められるものの本質にたどり着くまで、監督の「肝臓に食い込んでくる」のです。
ダニエルはより知的、彼は、深く静かに仕事をします。脚本を読み、10数回にわたって読み直し、刑事について嫌というほど私と話し、実際に多くの刑事に会い、36番地の河岸沿いをたっぷり歩きました。

(オリヴィエ・マルシャル監督インタビューより) 

 

ダニエル・オートゥイユの出演作は何作か観ているが、本作のようにシリアスな役は初めて見た。

ジェラール・ドパルデューとの共演作でもある「メルシィ!人生」との正反対の演技を比べてみるのもいい。

 

tomta.hatenablog.com

 

登場人物

登場人物名が多いので主な役をまとめてみる。

 

・レオ・ヴリンクス:BRI主任警視

・ドニ・クラン:BRB主任警視

・エディ・ヴァランス:レオの相棒、定年退職間近

・ロベール・マンシーニ:パリ警視庁長官

・ティティ・ブラッスール:BRI所属の刑事

・エヴ・ヴェラゲン:BRBに転属したばかりの刑事

 

・カミーユ・ヴリンクス:レオの妻

・ローラ・ヴリンクス:レオの娘

・エレン・クラン:ドニの妻

 

・ロルフ&ブリュノ・ウィンターシュタイン:街のゴロツキ

・ドラガン:武器商人

・フランシス・オルン:主犯格

・ロベール・“ボブ”・ブーランジェ:主犯格

 

・シリアン:レオの情報屋

・マルキュス・ゼルビブ:シリアンを刑務所に送った男、ドニの情報屋

・ルソー判事:警官嫌いで知られている

・マヌー:レオの馴染みのバーのマダム 

・クリスト:マヌーの同居人

 

パリ警視庁:オルフェーヴル河岸36番地

 

エンディング曲はSia

 

Sia - Don't Bring Me Down (Official Video) - YouTube

オーストラリア出身のSia(シーア)の2004年のアルバム「Colour The Small One」からの曲「Don't Bring Me Down」が使われた。

Don't Bring Me Down

Don't Bring Me Down

  • シーア
  • ¥250

 

Siaでおすすめは「My love」。

映画「エクリプス/トワイライト・サーガ」のサントラに提供された曲。

そちらの映画は散々な評価だったみたいだが、曲は最高だ。

 

Sia - My love - YouTube 

My Love

My Love

  • シーア
  • ¥250

 

あとがき

本作は監督が実際に関わった人物をモデルに描かれている。

刑事と情報屋の関係、犯罪擦れ擦れの行為。

正義感や憧れだけでは続けていけない苛酷な世界。

監督が急襲作戦班へ配属になった際に教官だった人物は、事件の最中に命を落とした。家族との時間を過ごそうと内勤へ転属する数日前だったという。

 

あるいは裏切りという名の犬、やたらかっこいいタイトルはハードボイルドではおなじみの傾向だ。

誰しも生きていく中で大なり小なり裏切りを経験するものであるし、作中では裏切らない人間はいない。例外はマヌーくらいか。

善悪では割り切れない人間臭さも魅力だ。 

 

原題:36 Quai des Orfevres

監督:オリヴィエ・マルシャル

出演:ダニエル・オートゥイユ / ジェラール・ドパルデュー / アンドレ・デュソリエ / ダニエル・デュヴァル / ヴァレリア・ゴリノ / ミレーヌ・ドモンジョ / アンヌ・コンシニ

 

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