「とんがり帽子のアトリエ」は白浜鴎による漫画作品。
月刊モーニング・ツーで2016年7月より連載を開始した。
12話は、救助に成功したココたちに魔警団が迫る。
前回はこちら。
魔警団のイースヒース
崩落した崖から少年クスタスを助け出したココとアガット。
岩を崩して砂にする魔法を使用したのだったが、そのことが思わぬ事態を引き起こしていた。
対象となった岩だけでなく、川や岸まで一面が砂と化している。
これは見習いであるココが扱える規模の魔法の力では考えられない事。
調査に訪れた魔警団のメンバーは、禁止魔法の使用を疑いココの記憶を消そうとするのだった。
記憶が消されれば、見習いとして過ごした日々や石化した母親を救う方法を探す手がかりまでも失ってしまう事になる。
そんな彼女のピンチに駆けつけたのはリチェ。
ココにかざした魔警団の手を払いのける。
テティアもドラゴン事件で改良された竜の砂床(ドラゴンをダメにするクッション)でココたちを受け止めた。
雲の魔法の開発はテティアの夢である。
あの後もずっと練習していたようだ。
そしてこの殺し文句。
魔警団のリーダーと思われる男はイースヒースという名で、キーフリーとは仲が悪そうである。
「君に似るなら優等生なんて糞くらえだ」とまで言わせるほど。
ココたちの話を聞こうともせず、いきなり記憶を消そうとした頭の固そうな人物。
使用した魔法陣やココの手を調べてみても、禁止魔法につながる証拠は見当たらなかった。
つばあり帽の中には力を増幅させる魔法陣を刺青として彫り込んでいる者もいるという。
だがココの手に残るのは、見習い魔法使いらしい育ちたてのペンだこや磨墨の汚れくらいだった。
これではイースヒースも引き下がるしかない。
今回のココとアガットの救助は成功したから良かったものの、一般人に魔法を発動する瞬間を見られていた場合、その人たちの記憶も消すことになる危険があった。
その人が積み重ねてきた時間や経験を無にしてしまう可能性。
この記憶を消すという行為、キーフリーの言い方からすると人生での記憶を全て抹消することなのだろうか。
短期間の記憶だけを対象にするような都合のいい方法はないのかもしれない。
ココへの疑いは晴れたものの、事件に対する疑問は残ったままである。
魔警団による調査は引き続き行われるだろう。
そしてココはある事実に気付く。
魔墨が減っていない。
そういえばドラゴン事件の直後、一瞬ココが行方不明になったことがあった。
あの時か。
ピンチは脱したものの、ココは確実に目をつけられた。
と同時にイースヒースはココの魔法が地道な練習の成果であることにも気づいているだろう。
こういうキャラはいつかデレるんじゃないかという点が楽しみだよね。