「とんがり帽子のアトリエ」は白浜鴎による漫画作品。
月刊モーニング・ツーで2016年7月より連載を開始した。
15話は、つばあり帽の行方を探ろうとするキーフリーだったが。
前回はこちら。
つばあり帽を追うキーフリー
「つばあり帽」によってすり替えられていたココの魔墨瓶は、「双子瓶」という失われた魔法が施されていた。
かつて、「結託の日」に於いて人体にかける術が禁止魔法と定められた際に、最後まで抵抗したのは魔法医たちだったという。
人々を救うための回復魔法が禁止されるのは、彼らの存在意義が否定されることと同じと言っても過言ではないだろう。
つばあり帽が彼らの中から生まれたのだとすれば、想像していたよりも根が深い問題であるのかもしれない。
双子瓶の魔法は、薬の共有のために創られた医療魔法だった。
魔法陣が彫られたメダルを入れることで中身が共有され、必要なものが無くなるのを防ぐためのもの。
キーフリーはこの瓶の魔法を手掛かりに、つばあり帽の情報を引き出そうとしていた。
持ち物さえ手に入れれば、魔法器を使って居場所を突き止めることも可能である。
だが、つばあり帽も彼の行動は想定内であるはず。
そう簡単には追跡を許さない。
慎重に事を進めようとしている点では安心できるものの、相手はどうやら一枚上手のようである。
念願のつばあり帽と対面を果たすのだが。
ココの夜ふかし
近頃、ココが遅くまで起きている姿が目撃されている。
夜中も一人で魔法の練習をしているようだ。
夢でうなされ目覚めたあと、机に向かうこともあった。
それらのことが知られているということはアガットもそれなりに夜ふかしをしているということでもあるのだが。
魔法使いの試験のことを聞いてから、ココも意識せざるを得ないようだ。
本来の彼女の目的はここにあるわけで、道のりが具体的に分かれば気が急いてしまうのも仕方がない。
図書の塔を目指して、一日でも早く到達するところまで辿り着きたいのだろう。
だがテティアの言うように無理はよくない。
そしてもう一つ。
弟子入り試験の時にアガットに借りた飛び靴をようやく返すことが出来た。
靴底の魔法陣を書けるようになるまで保管してあったもの。
受け取ったアガットの表情が柔らかい。
初めて会った頃とはずいぶん変わってきている。
彼女の変化はココの日々の努力のあらわれでもあるが、さすがに疲れがたまってきていたらしい。
過労だろうとは思うが、アガットを作中最も動揺させたのがココの体調不良である点が感慨深い。
次回、ついにアガットがデレる?