「とんがり帽子のアトリエ」は白浜鴎による漫画作品。
月刊モーニング・ツーで2016年7月より連載を開始した。
25話は、洞窟の奥へ去っていったユイニィを追うアガットとリチェのエピソード。
前回はこちら。
魔法使いを目指すことになったココは、キーフリーに弟子入りする。ある日、同じ弟子であるアガットとリチェ達が「第2の試験」を受けることに。だが、試験中に「つばあり帽」に襲われ、ユイニィは禁止魔法で身体を獣に変えられてしまう。逃げるように去ってゆくユイニィを追おうとするリチェを、アガットは「今のあなたじゃ助けになれない」と制し、代わりにユイニィを追いかけていった。
(「前回までのあらすじ:とんがり帽子のアトリエ」より)
ユイニィを追うアガットとリチェ
つばあり帽の魔法で鱗狼の姿に変えられてしまったユイニィは、洞窟の道から外れ奥の方へと進んでいく。
後を追うのはアガット。
暗がりでも行方を見失わないよう、魔針球を携帯している。
つばあり帽に捉えられた時、魔法の刺青を入れられそうな彼女を救ったのはユイニィの機転だった。
今度は逆に彼を助ける番である。
とは言っても、いったいどうしたらいいのか。
敵の手から取り戻したとしても、ユイニィの自我は残っているのか。
変貌する直前に彼の言いかけた言葉も気になるところ。
どうやらココの所へ連れて行こうとしているようなので、このまま見つからないように付いて行くのが得策かもしれない。
この時、アガットがココのことを自分たちと同じ普通の子として認識しているのがいいね。
以前は「知らざる者」を指す表現として使われていたのだが、同じ言葉でも意識の変化が見て取れる。
一方、メルフォンを連れたリチェは洞窟の出口へとたどり着いた。
途中ユイニィから預かった魔円手帳には、円を閉じればすぐに発動できる魔法陣が描かれている。
それはリチェが嫌った教科書どおりの基礎魔法ばかりだったが、どれも彼自身の工夫が施されていて、彼らしさを感じさせるものであった。
自分らしさとは、皆と同じ事をやったからといって簡単に消えるものではなかった。
そこでの試行錯誤や悩んだことや得意なこと、それらは全て陣の中に表れている。
リチェが描いたなら、それはもうリチェの魔法なのだ。
迷いから抜け出した彼女が描く陣はどんなものだろうか。
自分が消えることを恐れる彼女が、鱗狼の姿の中で消えそうなユイニィを助けだす。
もしできるとするなら、その役割は彼女のものだという気はする。
リチェのトラウマの元となった以前のアトリエの様子も少し出てきていた。
大好きな兄の後を追って半ば押し掛ける形での弟子入りだったようだ。
服をつかんで満足げな表情がかわいい。
あとがき
今月号のモーニング・ツーには、4巻限定版とは別バージョンのぬり絵が付いてくる。(紙のみ)
複製原画のプレゼント企画ぬり絵コンテストの対象にもなるので、興味のある人は紙版もチェックしてみることをおすすめする。
単行本5巻の発売日は5月23日に決定。限定版はオリジナルカードゲーム付き。