「空電ノイズの姫君」は冬目景による漫画作品。
月刊バーズで連載中。
14話は、ベースと作曲担当の高瀬士(たかせ つかさ)の掘り下げ回。
15話は、磨音と夜祈子が夏休み明けの海へ行く。
前回はこちら。
高瀬と家族
練習を終えて帰宅した高瀬は、アパートの部屋のドアに張り紙がしてあるのを見つける。
弟の諒太からだった。
単身赴任の父親が帰ってくるので、家族みんなで集まりたいとの内容。
実家はアパートからも近い場所にあるようだ。
14話では彼の家族との距離が描かれる。
父の再婚相手である義母もやさしく、義弟も屈託のない性格で幸せそうな家族。
そんな中で彼一人が和を乱す。
彼の偏食はアレルギーのためではないことが判明するし、食事やプレゼントを用意してくれた義母に感謝の言葉すらなかった。
居心地が悪いのもすべて本人に理由があり、擁護の余地もない。
自覚と反省がある点は救いではあるが。
これまでフォローしてくれていたはずの知明がいない今となっては、家を離れるのがベターなのかも知れない。
音楽を始めるきっかけになったエピソードや、しがらみを断ってバンドに集中する様を描きたかったのかもしれないが、なんでそっち方面に掘り下げちゃったのという印象。
せめてバンドでの奮起を期待したい。
空電ノイズの姫君14話、インターバルながらもとても良い。死者の痕跡や家族への期待を辿る話を磨音の関わらない部分でサクッと済ませており、尾を引かない読後感を味わわせてくれる。
— 濁流 (@Schlammig9) 2017年11月11日
Twitterで好意的な感想も見つけたので紹介しておく。
なるほど。
夏休み明けの海へ
一転して仲のよい家族である保坂家では、磨音の留守に夜祈子が訪ねてきていた。
彼女は拓海の後輩バンドでコーラスのサポートをしているが、気に入られて出番が増えているらしい。
バンド名も覚えていないくらい関心の薄い様子ではあるけれど。
父をめぐる会話の噛み合わなさが好き。
近頃バンド活動ばかりで忘れかけていたが、二人は夏休み中である。
あと一週間もすると新学期が始まってしまうのに、どこにも出かけていないのだった。
海外のフェスに行きたいという意見も出ていたが、ここは現実的に鎌倉の海を目指すことに。
久し振りの海にはしゃぐ夜祈子。
期待通りの描写に安心する。
彼女も実家から距離を置いている立場だが、高瀬とは対照的。
その笑顔には磨音や拓海の存在が大きく影響しているんだろうね。
彼女の過去には重い出来事が含まれていそうだし、始まりの言葉も気になるのだけどね。
あとがき
2巻は16話か17話までになりそう。
発売日は4月くらいを予想しているがどうだろうか。