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「怪しことがたり」(白鳥うしお)おばけ屋敷に住むことになった少女の魂送り助手生活。

「怪しことがたり」(白鳥うしお)1話扉絵

「怪しことがたり」は白鳥うしおによる漫画作品。

2018年より月刊コミックガーデン及びMAGCOMI(マグコミ)で連載を開始した。(Web版は1話分遅れ)

作者にとってはこれが初の連載とのこと。

町はずれの有名なお化け屋敷に引っ越してきた女子高生・高原八千穂。そこには噂通り様々な異形のもの達が存在していた…!行方不明の母親を探す鍵「黄泉の書」を求めて、八千穂は屋敷に棲む常世と現世の渡し場を管理する精霊・モロの手伝いをする事になるのだが…!? 「ゆる怖」和風ファンタジー!

(「怪しことがたり 1 (webコミックBeat’s;コミックガーデン)」より)

お化け屋敷の住人

近所でも評判のおばけ屋敷に、新しい住人がやってきた。

高校生の高原八千穂は、この家で猫のフクちゃんと暮らしている。

民俗学を研究している父の影響で、古いものに囲まれた生活は慣れているのだが、人でないものはどうかというと、さすがに話は別である。

「怪しことがたり」(白鳥うしお)より、地下への秘密の扉を発見
(「怪しことがたり」より)

彼女がここに住み始めたのには理由があった。

かつての住人である学者が書いたらしい、常世についての書物を探すこと。 

それが、五年前にいなくなった母親の行方を追う鍵になるかもしれないのだ。

 

夜中に何かが走り回る足音や笑い声などが聞こえるだけならまだいいものの、人に危害を加えるものがいないとも限らない。

早い内に目的の書物を見つけて引っ越したいところだろう。

「怪しことがたり」(白鳥うしお)より、地下の隠し部屋にある常世への渡り場
(「怪しことがたり」より)

フクちゃんが見つけた階段の隠し戸は、地下の部屋へと通じていて、不自然なほど広い空間が開けていた。

そこで、八千穂は不思議な体験をすることになるのである。

常世と現世の渡り場

キャッチコピーにも「ゆる怖ファンタジー」とあるが、本作に登場する異形のものたちはわりと親しみやすそうだ。

長い年月を経て妖怪化したものや、現世での役割を終えて常世へ帰ろうとするものが集まる場所。

もともと部外者である人間に害意のあるものは少ないのかも。

「怪しことがたり」(白鳥うしお)より、異形との遭遇
(「怪しことがたり」より)

とは言え、捕まえたら食べていい?とか聞きそうなものも中にはいるけれど。

ここは常世と現世をつなぐ渡り場で、彼らを帰す仕事をしている管理人がいるところ。

探している書物、「黄泉の書」の手掛かりを得られるまで、彼女は助手として働くことになる。

行方知れずの母につながる道にたどり着けるかも知れないという期待もあった。

「怪しことがたり」(白鳥うしお)より、魂送り
(「怪しことがたり」より)

大小さまざまの個性的な姿の妖怪たちが次々と現れ、常世へと旅立っていく。

彼らを手助けする中で、八千穂が本当に手に入れるものは何か。

 

気になるのは、彼女の母親とは何者かということ。

行方を探す先が黄泉の国というのは尋常ではないし、こんな屋敷に娘を一人送り込む父親もどうかしている。

八千穂の見える能力は母譲りなんだろうね。

 

単行本1巻も予約開始! 発売日は9月14日。

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