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「将来的に死んでくれ」3巻(長門知大)夏休みと小槙の誕生日

「将来的に死んでくれ」(長門知大)3巻 (週刊少年マガジンコミックス)

「将来的に死んでくれ」は長門知大(ながと ちひろ)による漫画作品。

別冊少年マガジンで連載中。

帯の言葉は「もう何でもいいからHなことがしたい…。」 

刑部小槙と菱川俊、二人は共に女子高生。 俊の恋は、ひたすら“小槙一筋”! 対する小槙は、通常運転でそれをスルー!! それでも、どうにかこうにか遊ぶ約束を取り付けた俊は、小槙とファミレスデートに! それなのに、パフェ食べただけで即解散!!? そこは「帰りたくない」って言うところでしょうが!!!

(「将来的に死んでくれ(3) (週刊少年マガジンコミックス)」より)

前回はこちら。

菱川俊の夏休み

菱川俊は同級生の刑部小槙のことが大好きだ。

彼女に振り向いてもらうためにいつも全力だが、思いが成就する日は遠そうである。

それでも教室で毎日顔を合わせるのは楽しみなことであろう。


そんな菱川にとっての夏休みとは、小槙に会えなくなる毎日に他ならない。

予定を作って遊びにでもいけばいいのだが、普段は必要以上に積極的なくせに、変な所でヘタレである。

「将来的に死んでくれ」(長門知大)3巻より、菱川と兄
(「将来的に死んでくれ」3巻より)

今回は菱川家の家族の様子も垣間見える。

菱川には2つ上の兄がいる。

名は倖(ゆき)。

妹のことが大好きで、愛情は伝わってくるが少々めんどくさそうなキャラである。

そして間違いなく彼女の血縁者だ。

「将来的に死んでくれ」(長門知大)3巻より、菱川幼少期のトラウマ
(「将来的に死んでくれ」3巻より)

菱川はこのシスコンな兄にコンプレックを抱えているらしい。 

倖と一緒にいると彼女のかわいさが霞んでしまい、話題が流れてしまう経験を幾度となく経験してきている。 

だから学校が同じにも関わらず、兄の存在を話題に出すことはなかった。

スーパーで偶然小槙に会うまでは。

「将来的に死んでくれ」(長門知大)3巻より、菱川兄妹を見て笑顔になる小槙
(「将来的に死んでくれ」3巻より)

小槙の口から「かわいい」出ました。

そして過去最高の笑顔だからこれ。 

自身が姉という立場でもある彼女には、兄相手にムキになる菱川の姿が微笑ましく映るのかもしれない。

刑部家ではあまり見られなさそうな光景だしね。

この3巻では小槙が菱川を褒めることが増えてきた印象がある。

刑部小槙の誕生日

小槙は夏生まれである。

そのことを菱川が知ったのは休み明けの新学期初日。

概ね地味な毎日を過ごし、イベントらしきものもない高校1年目の夏休みを終えた菱川は、俄然やる気を見せるのであった。

が、その日はすでに過ぎていた。 

「将来的に死んでくれ」(長門知大)3巻より、小槙の誕生日プレゼントに悩む菱川
(「将来的に死んでくれ」3巻より)

休み中にもっと会えていたら気付く機会もあったかもしれないが、この際仕方がない。

今からでもできることはないかと悩むのであった。

友人の沙弥の指摘にもあるが、ベタな「プレゼントは私♡」なんてセリフは菱川の頭にはない。

この辺が彼女の面白いところで、謙虚でシャイなのに好きな気持ちを伝えるところだけは暴走気味に積極的というアンバランスさだが、そこが返って安心できる要素でもある。

そんな彼女への小槙の要求も欲がなくていい。

「将来的に死んでくれ」(長門知大)3巻より、小槙へのプレゼントは菱川の髪型
(「将来的に死んでくれ」3巻より)

倖に見せてもらった幼少期の菱川の髪型を再現してみたいとのこと。

菱川のいじり方が絶妙なんだけど、これが天然なところがおそろしいよね。

最近では楽しみも入ってきてるのかもしれないけど。

あとがき

続きは今月号の別冊少年マガジンで読める。

扉絵では季節が冬になっていて、ちょっと髪の伸びた小槙がいい。

 

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