「さよなら私のクラマー」は新川直司による漫画作品。
月刊少年マガジンで2016年5月より連載を開始した。
15話は、決勝トーナメント蕨青南vs.浦和邦成の試合も終盤に突入、ワラビーズに大きなチャンスがやってくる。
前回はこちら。
中盤の主導権争い
その豊富な運動量と的確な判断で浦和の戦術を機能させてきた桐島千花。
チームの要として常勝校を支えてきた自負を持つ彼女は、無名の1年生に翻弄されているわけにはいかない。
一方の恩田も、彼女を抜くのは容易ではない。
それでも、井藤や佃の久乃木学園と対等に戦えるレベルまでチームを強くしたいのだ。
目標はもっと先にある。
試合も終盤に差し掛かり、お互いにチャンスは何度か訪れたが、未だに0-0のままだった。
蕨青南の守備陣もよく耐えているし、徐々に彼らのペースになりつつある。
ここまでの接戦になるとは誰が予想できたであろうか。
毒舌の天馬ですらこのセリフである。
この状態が続くのは浦和にとって分が悪い。
桐島が恩田にかかりきりであるため、中盤がどうしても手薄になってしまう。
そしてそこには彼女がいる。
本来なら最も警戒が必要なはずの選手。
ワラビーズの心臓、曽志崎だ。
曽志崎から周防へのパスは1試合平均16本だという。
蕨青南の得点の多くはここから生まれる。
浦和のミーティングでも、個別の対処は困難と言われていたが、ここぞという時には仕事をしてくれそうな期待感がある。
試合が動く?
そして今回はついに謎の選手が正体を現す。
曽志崎、周防から引き継ぎゴールに迫る恩田の前に立ちふさがる彼女。
安達太良アリス、通称アダ。
1話から桐島・天馬と共に登場しながら、アニメ好きということくらいしか分からなかった。
曽志崎のリストバンドが「きゅんこく」(胸きゅん開国)の限定版アイテムであることに気付き、友達になりたそうに見ていた。
その風貌といい、ときどき映る姿が気になってはいたのだが。
その彼女がサッカーで存在感を示したのは初めてである。
なぜここまで目立った動きがなかったのか。
超スロースターターなのだろうか。
このタイミングで、試合を決定づける場面かと思われた頃に彼女は現れた。
この只者でなさ。
試合の行方はどうなる?