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「猫の手はかりない!」(紺野キタ)老紳士と女装男子のシェアハウス生活

「猫の手はかりない!」(紺野キタ)1巻 (バーズコミックス スピカコレクション)

「猫の手はかりない!」は紺野キタによる漫画作品。 

デンシバーズで2016年まで連載されていた。2巻完結。

女装男子の小篠景虎は、父親と衝突の末、親類の徳さんが運営するシェアハウスに、住み込みで働くことに。なんとそこは、高齢の男性ばかりが共同生活を営む「紳士の隠れ処」だった!

(猫の手はかりない!| 幻冬舎コミックスより)

シェアハウスと女装男子

老紳士ばかりの住むシェアハウスに、新しい入居者がやってきた。

父親と反りが合わないため、母方の親類の営むこの家で住み込みのハウスキーパーの仕事をするためである。

住人は気心の知れた昔なじみ同士での暮らしだが、いざという時に若い者がいるのは心強いらしい。

枯れかけた男所帯に、華やかさが加わった。

「猫の手はかりない!」(紺野キタ)1巻より、しのちゃんは小篠景虎
(「猫の手はかりない!」1巻より)

しのちゃんこと小篠景虎は、調理師専門学校に通っていたこともある男の子、というより男の娘である。 

一見、女の子かと思わせる外見だが勇ましい名前の持ち主。

かわいいもの好きで、女装は期間限定の趣味として楽しんでいる。

服飾学校に通うガールフレンドのマコちゃんの協力で、仕事に合わせメイド服も用意してきていた。

「猫の手はかりない!」(紺野キタ)1巻より、マコちゃんの乗車拒否
(「猫の手はかりない!」1巻より)

ここは紳士の隠れ処

住人は家主の徳さんを筆頭に、事情で独り身であったり家族と離れていたりしているところを、この春から集まって賑やかに暮らし始めたところ。

 

本作はこの奇妙な組み合わせの面子が家族となっていく数ヶ月の日々を描いている。

血が繋がっているからこそうまくいかないこともある。

他人として遠すぎない、気の置けない者同士の適度な距離感で相手を尊重しつつ暮らしていくのもいいかもしれない。

作中のセリフにもあるが、お爺ちゃんたちの男子校みたいなノリなのだ。

そこにしのちゃんが加わったことで若い世代との交流も生まれてくる。

ちなみに、しのちゃんの呼び名は定着せず、ここでは「ねこ虎」と呼ばれている。

「猫の手はかりない!」(紺野キタ)1巻より、紳士の隠れ処兼執事カフェ
(「猫の手はかりない!」1巻より)

客人を招く時は、執事カフェごっこでお出迎え。

むしろこれがメインとも言えるのだが、女性客達には人気である。

健康に問題を抱えているメンバーもいるし、あとどのくらい続けられるかは分からない。

でも孫に囲まれてのんびりした老後もいいかもしれないが、こんな遊び心のあるちょっと元気な余生も悪くないんじゃないかな。

「猫の手はかりない!」(紺野キタ)2巻より、家出少年の更生
(「猫の手はかりない!」2巻より)

やんちゃな家出少年も常連客になった。

最初は元気だけが取り柄だったねこ虎も、じいさんたちの為に健康に配慮した料理を覚えたり、送り迎えできるように車の免許を取ったり、相手を気遣う優しさを見せるようになる。 

「猫の手はかりない!」(紺野キタ)2巻より、しのちゃんのおかえり
(「猫の手はかりない!」2巻より)

こんな全力のおかえりを言われたい。

 

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