「とんがり帽子のアトリエ」は白浜鴎による漫画作品。
月刊モーニング・ツーで2016年7月より連載を開始した。
19話は、魔法使いの試験である通称「五芒星試験」の二つ目の試験を受けることになったアガットが会場へ向かう。
前回はこちら。
魔法使いを目指すことになったココは、魔法使い・キーフリーに弟子入りすることに。だが、母親を石の魔法から解くべく連日無理をして魔法を学んでいたことがたたって、倒れてしまう。しかし、魔材屋の少年タータの活躍もあって無事に回復した。そして、同じアトリエの弟子・アガットに「第二の試験」のしらせが届いた。
(「前回までのあらすじ:とんがり帽子のアトリエ」より)
試験会場へ
大講堂からの報せで試験の日が決まったアガットを連れ、キーフリーは会場のロモノーン岬にある”蛇の背洞窟”へ向かっていた。
他の弟子たちも一緒である。
オルーギオが作ってくれた新作魔法器のおかげで、移動中の羽根馬車の中でもぐっすり眠れたようだ。
無理しがちな彼女にはちょうどいいだろう。
体調さえ良ければ、試験の方は問題ないはずという安心感がある。
この日のために、誰よりも努力を続けてきたのだから。
試験の各段階にはそれぞれ名称があって、今回の第二の試験は「騎士の忠誠」と呼ばれている。
人前でも魔法を使えるようになるための試験であることは予め知らされていた。
!?
会場に一番乗りした彼女たちから少し遅れて登場した試験官は、なんと巨大なフデムシの姿。
もちろん正体は魔法使いであるが、これを見た時のココの喜びようは想像に難くないだろう。
キーフリーも思わず「あっ、すごい」と漏らすほどの感動ぶりであった。
そしてこれが今回の試験の重要なポイントなのである。
魔法を使用するところだけではなく、人間であることも知られてはいけない。
試験監督アライラの説明によると、第二の試験「騎士の忠誠」とは、海獣鳥(メルフォン)を”蛇の背洞窟”の向こうまで無事に送り届ける護衛任務である。
「結託の日」以前の魔法遺跡で、廃墟となった今でも獣たちの渡りのルートと使用されており、彼らを魔法の影響から守ることが環境を歪めてしまった魔法使いの責務の一つとして考えられているよう。
”影借りの鏡外套”は、纏った者の姿を擬態するアイテム。
これで相手に気付かれずに任務を遂行することも可能になる。
ただし大きさまでは誤魔化せない様子。
護衛するだけとは言っても、洞窟がどこへ通じているのか、入り口を塞ぐ対策をしない所を見ると原始的な扉窓のような存在の可能性もある。
やっかいな仕掛けがあったりとかね。
相手が人間ではない分、予想外の行動をしそうなところで難易度が高いのかもしれない。
今回はその試験にアガットと一緒にリチェの申請もされていた。
受けたがらないリチェを説得するキーフリー。
この時ココの方をチラッと見るのがいいね。
彼女は以前リチェの魔法を好きだと言ってくれた。
リチェは、魔法使いとして一人前になることが、自分らしさを失うことにつながると思っている節がある。
他人の魔法はいらないとの頑なな態度を取らせる理由はなにか。
夢で登場した彼女の兄と関係しているのは確かだろう。
自分の魔法を認めてくれていた兄と弟子入り以降会えなくなっているのか、それとも以前とは変わってしまった姿を見ているのか。
性格としての表れ方は違うけど、リチェとアガットは自分の魔法を認めさせたい相手がいるという点で似ている。
蛇の口を通って洞窟へ入っていくアガット。
そこで待ち受けているものは何か。
第二の試験、開始。
このエピソードが収録された4巻が予約開始。9月21日発売。