「魔王城でおやすみ」は熊之股鍵次(くまのまた かぎじ)による漫画作品。
週刊少年サンデーで2016年より連載を開始した。
姫、人質として魔族の伝統行事に参加…!?
夏、全魔族の結束を高める崇高な祭典、魔王城大納涼祭が開催される…!! しかし、スヤリス姫の自由すぎる生活を城外の魔物に知られたくない魔王は言った… 「姫、人質らしくしているのだぞ…」 でも…お祭りに参加したい! そんな姫の“人質らしい"作戦は…!? 人質姫も魔物もみーんな、なかよし!第九巻!!
前回はこちら。
真夏の一大イベント
新人魔物たちが増え賑やかになった魔王城にも、勇者一行の足音は確実に近づいて来ていた。
幹部の中でも実力のある海神ポセイドンが直接対応するなど、安穏とはしていられない状況が窺われる。
囚われの人間の姫にとっては、喜ばしいことかもしれないのだが。
彼女がこの魔王城へ連れてこられてから日々研鑽を積んできたのは、この日のためではなかったか。
書庫に眠る禁断の魔導書の精霊アラージフは、魔族を滅ぼせるほどの強大な力を持ち、これまでもスヤリス姫に数々の魔法を授けてきた。
彼は彼で魔族に対して思うところがあるようなのだが、その辺に関しては未だ謎が多い。
この日も、姫は新たな魔法を習得することになる。
それは彼女の念願であった希望をひとつ叶えることに成功した。
魔王をはじめ城内の全ての魔物が幼児化してしまう異常事態の、犯人は姫である。
自分が子供になってその眠りを堪能しようと考えていたのだが、術者自身に効果はなかったらしい。
結果的には、おねえさんになる夢を体験してご満悦だったのでこれでよかったのかもしれない。
他の魔物たちもさぞ混乱しているかと思いきや…
順応力高いな。
姫がやって来てから、大抵のことでは驚かなくなっている様子。
今回も魔王城は平和そのもので、真夏のイベント大納涼祭も開催される。
城外の魔物たちも集まり結束を強めるための催しとのことで、姫に好き勝手されるわけにはいかないのである。
なぜなら彼女は人質なので。
そうは言っても間違いなく参加するであろう姫のことを考えると、禁止するのは得策ではないなと。
ということで、飽くまで人質として働いてもらおうということになった。
人質だから強制労働はするし、見せしめに通りを引き回されたりもするし、カフェでお恵みされたりもする。
これならば魔王城のイメージを損ねずに姫も積極的に参加することができて名案かもしれない。
特にこの人質カフェは虐げられている姫に差し入れすることができる画期的なシステムで、客側は悪の支配者気分を味わえるし、姫は自分の好きなものを食べられるしWin-Winである。
しかし、これらも姫の周到な計画の前振りでしかなかったとしたら…?
野望渦巻く祭りの本番はこれからだった。
前回の帰省から大きな動きがないものの、姫を中心に魔物たちの結束は強まっており、次の10巻ではついに先代魔王が登場するとのこと。
人間たちから魔界を救った英雄と姫の邂逅は何をもたらすのか。