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「魔王城でおやすみ」10巻(熊之股鍵次)人質の姫は先代魔王の隠居生活に興味津々

魔王城でおやすみ(熊之股鍵次)10巻 (少年サンデーコミックス)

「魔王城でおやすみ」は熊之股鍵次(くまのまた かぎじ)による漫画作品。

週刊少年サンデーで2016年より連載を開始した。

 

姫を父上に会わせるわけにはいかん!

カリスマ先代魔王・ウシミツの隠居先を訪ねることになった魔王・タソガレ一行。今回ばかりは人質同行なんて以ての外! スヤリス姫には内緒で出発するべく、情報統制に奔走する魔王の背後で、姫は思った… 「秘密の隠居生活…絶対見学したい!!」 姫の本気すぎる情報収集が始まる…!? 魔物のみなさん、いっつもご苦労様…な第十巻!!

(「魔王城でおやすみ(10) (少年サンデーコミックス)」より)

 

前回はこちら。

アラージフの家出

スヤリス姫が魔王城へやってきてから、そろそろ2年の月日が経とうとしている。

暗闇に閉ざされたこの地で囚われの姫にできることと言えば、勇者の救出を待ちながら泣き暮らすくらいであるかと思われた。

だが人間の姫は予想外にたくましく、自身のために快適な環境を手に入れた。

中でも、禁断の魔導書アラージフの存在は欠かせなかっただろう。

魔族を滅ぼせるほどの大きな魔力を持ち、姫がその力を行使することを望んでいる。

が、なかなかその気にならない姫に痺れを切らしていたようだ。

「魔王城でおやすみ」(熊之股鍵次)10巻より、姫の日常を目の当たりにする禁断の魔導書
(「魔王城でおやすみ」10巻より)

今回、アラージフが自らの力を活かせる人材を求めて城からの脱出を図る。

その道中で彼が見たものは…

想像もしていなかった姫のアクティブな日常であった。

これまで強力な魔法を身に付けた姫がやってきたことと言えば、ハチ型魔物を殲滅してハチミツを採取したり、城全体を眠らせてお昼寝してみたり、同じく幼児化させてお姉さん気分を味わったりという平和そのものの活動なので、知らなかったとしても無理もないかもしれない。

魔法無しでも魔族を滅ぼせそうなその姿。

決して行動に出る勇気がないわけではないが、まだその時ではないのだろう。

姫の方でも魔導書が不要とは思っていないようで、持ち運びしやすいように手製のブックカバーを用意してくれていた。

むしろ出番も増えそうな展開に、アラージフもまんざらでもなさそう。

「魔王城でおやすみ」(熊之股鍵次)10巻より、禁断の魔導書の使い方
(「魔王城でおやすみ」10巻より)

ある意味頼りにされていることも分かり、もうしばらくは姫の側にいることだろう。

先代魔王の隠居所へ

十傑衆の一人、ハデスの住む旧魔王城が崩壊の危機にあるという。 

補修には先代魔王ウシミツの魔力が必要で、隠居中の元魔王に会いに行くことになった。

現魔王タソガレにとっては父にあたるが、代替わりした今でもやはり怖いものらしい。

人質の姫に好き勝手されている事実を知られるわけにはいかないのである。

「魔王城でおやすみ」(熊之股鍵次)10巻より、姫のおとなしいのイメージ
(「魔王城でおやすみ」10巻より)

ところが、「隠居」という言葉に惹かれた姫が勝手についてきて…

魔物として紹介しようとする「すやすや作戦」も、いつになく気を遣った姫の行動で裏目に出る。

隠居したとは言え魔王城幹部たちを震え上がらせるほどの威厳の持ち主で、怒らせるとただでは済まなそう。

でもこう見えて家族思いなところもあるらしい。

姫を嫁候補だと勘違いしたことによるすれ違いの親子対決も激しいものであった。

こうなると魔王の母はどんななのか気になるね。

タソガレもファザコンぽいところが見られるのであるいは…

「魔王城でおやすみ」(熊之股鍵次)10巻より、先代魔王の愛犬とくつろぐスヤリス姫
(「魔王城でおやすみ」10巻より)

結局いつものように寛いでいる姫だが、犬を飼いたい欲が高まったようだ。 

これで父親公認の存在に? 

あとがき

今回から電子書籍版でカラー部分もそのまま再現されることになった。 

あとは表紙の全体絵も収録してくれるといいな。

 

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