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2019年11月に読んだおすすめ漫画まとめ

2019年11月に読んだおすすめ漫画まとめ

2019年11月に読んだ中で、おすすめの漫画をいくつか紹介する。 

注目作は最終巻を迎えた作品たち。

どれもいい終わり方で幸せな時間だった。

 

前回はこちら。 

「やさしいヒカリ」3巻(中村ひなた)

友人の紹介で田舎の町にやって来た青年の新しい仕事は郵便局長。

3巻は、月輪島に春がやって来る。

日和子(ひよこ)と翼芽(つばめ)が卒業し、島を出ていく日が近付いていた。 

「やさしいヒカリ」(中村ひなた)3巻より、夜食を食べる日和子と三宅
(「やさしいヒカリ」3巻より)

深夜のキッチンで鉢合わせして夜食を食べたりなんてこともできなくなるのである。 

残り少ない一緒にいられる時間を大事に過ごしていく様子が描かれていく。

ヒロインたちの退場で物語は終結に向かっていくのだけど、日和子と翼芽の東京生活も見てみたかったな。

巻末には三宅のやって来る前の日々の第0話が収録されている。

次回作も楽しみにしたい。

「空挺ドラゴンズ」7巻(桑原太矩)

空を泳ぐ巨大生物・龍を追い、航行を続ける補龍船クィン・ザザ号の乗組員たちの物語。

7巻は、交易都市マユーロへ。 

ここはクィン・ザザ号の故郷とも言える街だった。

会計士のリーの実家であるスバマラ商会への最後の建造費返済の期限目前にして、ギリギリで目処がついたのである。

「空挺ドラゴンズ」(桑原太矩)7巻より、天山山脈にはちかづくな
(「空挺ドラゴンズ」7巻より)

これまで謎であったクロッコが船長代理である理由、クィン・ザザ号建造の経緯も明らかになった。

2020年のアニメ化前というのもあるかもしれないが、初めて登場人物一覧のページが収録されたのはありがたい。

機関室メンバーの活躍にもスポットが当たり、乗組員の仕事ぶりが描かれたところで、何やら試練のフラグが…

行くなと言われたら行くに決まってるじゃないの。

「人形の国」5巻(弐瓶勉)

遺跡層に覆われた巨大な人工天体アポシムズ。

地上の覇権を狙うリベドア帝国に故郷を滅ぼされたエスローたちは、復讐のため旅を続けている。

5巻は、元イルフ・ニク国王カジワンによる真地底教会が第三勢力として台頭し始める。

エスローの回復のため、帝国の転生者からエナを回収したいタイターニアたちにライバル登場か。

「人形の国」(弐瓶勉)5巻より、カジワンの真地底教会
(「人形の国」5巻より)

人形病患者たちを新しい自動機械の力で再生させ、兵士として強化するためにエナを必要としているのである。

再生者は基本的に帝国軍を狙うよう指示されているはずだが、中にはケーシャに対して敵対心を持つ者がいたりして障害になる可能性も。

もちろん帝国もやられてばかりではない。

他の二つの陣営には対抗できない科学力で一気に優位に立ちそうな気配が。 

ピンチかも。

「あそこではたらくムスブさん」2巻(モリタイシ)

コンドームの研究開発をしているムスブさんと彼女に思いを寄せる砂上君によるラブコメディ。

2巻では、新製品の開発チームで一緒に仕事をすることに。

「あそこではたらくムスブさん」(モリタイシ)2巻より、ゴルフの素振りをするムスブさん
(「あそこではたらくムスブさん」2巻より) 

気分転換にゴルフの素振りをするところのキリッとした表情がいい。

プロジェクト・リーダーでもある彼女はいつもより帰る時間が遅くなることが増えそうだが、長距離通勤に変化が見られるのか?

二人の関係も進展してるようなしてないようなで次巻に期待。

「MAO」2巻(高橋留美子)

陰陽師の少年と妖の力を宿した少女の怪奇物語。

2巻は、人の寿命を操れると噂の教祖を探るために鐘臨教の内部に忍び込んだ菜花たち。

彼女は摩緒たちが追う猫鬼との関わりがあるのかどうか。

やがて来る「世界の終わり」の内容が引っ掛かる菜花は、現代で町の歴史を調べてみることにするのだった。

「MAO」(高橋留美子)2巻より、鐘臨教の教祖・鐘呼と対面する摩緒
(「MAO」2巻より) 

この巻で摩緒の力が発揮されるが、900年の陰陽師生活は伊達ではない。 

宿敵・猫鬼への手掛かりは掴めるのか?

「よふかしのうた」1巻(コトヤマ)

夜に眠れなくなった少年が出会ったのは吸血鬼。

彼女の自由さと夜の魅力に惹かれた少年は、自分も吸血鬼になることを望むのだが…

「よふかしのうた」(コトヤマ)1巻より、吸血鬼と空を飛ぶ
(「よふかしのうた」1巻より)

眷属になるには、吸血鬼に恋をした状態で血を吸われる必要があるのだという。

彼はまだ恋がどういうものなのかを知らない。

そして二人の夜ふかしの日々が始まるのである。  

コトヤマ最新作『よふかしのうた』PV - YouTube

タイトルの由来は作者の好きなCreepy Nutsの同名曲からとのこと。

幼馴染みのアキラ登場あたりから少しずつ面白くなってきた。 

「ポチごっこ。」上下巻(アッチあい)

人生に疲れた社畜サラリーマンが美少女に拾われて犬として飼われることになるラブコメディ。

飛び降り自殺を図った青年が目覚めると、見知らぬ部屋に見知らぬ少女の姿があった。

「ポチごっこ。」(アッチあい)上巻より、名前はポチね
(「ポチごっこ。」上巻より)

その女の子は、人としての生活を捨てた彼にポチとして飼われることを要求するのである。

帯の言葉は「社畜か犬か、どっちがいい!?」

彼にとってどちらが幸せなのか、究極の選択となるだろう。 

部屋の主・朝日花のぶっ飛んだ発言の裏には何があるのか。

実際にはこれをラブコメと言っていいのかどうか分からないが、彼女の成長を見守りたい作品だった。

上下巻同時発売。

「とんがり帽子のアトリエ」6巻(白浜鴎)

魔法使いキーフリーの弟子となり、憧れだった世界へと足を踏み出した少女ココの物語。

6巻は、蛇の背洞窟を抜け出したココたちを魔警団が待ち受けていた。 

大講堂に住む三賢者の一人・ベルダルートの招集なのだという。

「とんがり帽子のアトリエ」(白浜鴎)6巻より、くつろぐルルシィ
(「とんがり帽子のアトリエ」6巻より)

魔警団では副団長のイースヒース以上に堅物そうなルルシィが同行するが、今回は彼女の意外な一面を見ることができた。 

フデムシのもふもふ具合がいたく気に入ったらしく、触っている時だけ表情が緩むのである。

こういうの、好物です。 

「恨み来、恋、恨み恋。」12巻(秋タカ)

土地神に力を貸し与えられた十二家によって守られる町を襲った、妖怪・恨み猫事件の顛末。

11、12巻同時発売で完結した。

圧倒的な力を見せる恨み猫、結界を越え町に迫る鬼たちとの最終決戦の時。

崩壊しかけていた十二家の関係を纏めたのは能力を継ぎそこなった子国の当主・恭一で…

干支をモチーフにした物語で登場人物も多いのだけど、それぞれに見せ場があって魅力的なキャラ揃いなのである。

ちなみに推しキャラは丑家の丑蔵朱華(うしぐら あやか)。

子供の頃から恭一を支えてきた幼馴染みの彼女は最後までかっこよかった。 

「恨み来、恋、恨み恋。」(秋タカ)12巻より、恭一の背中を押す朱華
(「恨み来、恋、恨み恋。」12巻より)

最終話では当主たちのその後のエピソードが、巻末には読み切り版も収録されている。

2020年の2月より、以前読み切りで掲載された「六畳一間の魔女ライフ」と、Twitterで公開している「お近づきになりたい漫画」が連載化される予定。 

「やがて君になる」8巻(仲谷鳰)

修学旅行から帰る燈子に連絡をもらった侑は生徒会室へと向かい…

好きを知らない少女が出会う恋物語、ついに完結巻。

「やがて君になる」(仲谷鳰)8巻より、腕を組む燈子と侑
(「やがて君になる」8巻より)

ここ数年、百合作品も少しずつ読むようになったのだが、そのきっかけになったのは本作だった。

以来ちょっと特別感があって、終わってしまうのは寂しいものの、これ以上ない幸せな結末で満ち足りている。

電撃コミックスNEXT「やがて君になる」TVCM - YouTube

何となく保留していたアニメ版もこれから観てみようかと思う。

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