午前3時の太陽

おすすめ漫画の紹介と注目の新刊コミックのレビューブログ

「よふかしのうた」3巻(コトヤマ)人と吸血鬼が共存するためには

「よふかしのうた」(コトヤマ)3巻(少年サンデーコミックス)

「よふかしのうた」はコトヤマによる漫画作品。

週刊少年サンデーで2019年8月より連載を開始した。 

夜に眠れなくなった少年が出会ったのは吸血鬼の女の子で… 

新章開幕! 新たな夜に新たな人物!! コウとナズナのふたりぼっちの夜ふかしに謎の少女が紛れ込む。気怠げにコウに語りかける彼女の登場が、物語を加速させる__ 「ようこそ 少年。手荒なマネしてすまないね」コウとナズナに待ち受けるものとは!? 未知なる夜の世界は、新たな広がりを見せる! 大反響! 真夜中のボーイ・ミーツ・ガール、予測不能の第3巻!

(「よふかしのうた(3) (少年サンデーコミックス)」より)

 

前回はこちら。

吸血鬼たちの世界へ

夜の街で出会った吸血鬼の七草ナズナに惹かれ、彼女の眷属になることを望む少年・夜守コウ。

夜ふかし生活を続けていく中で、その生態もおぼろげながら分かってきた。

彼女のように、人間社会に溶け込んでいる吸血鬼が他にいたとしても不思議ではない。 

「よふかしのうた」(コトヤマ)3巻より、コウの前に現れた二人目の吸血鬼
(「よふかしのうた」3巻より)

むしろもっと自然に存在していると考えた方がいいだろう。

この街にしたって、何らかのルールを持って共存しているかもしれないのである。

そもそも七草ナズナという名前からして思わせ振りであって、その他の吸血鬼の存在を想像させるものであった。

そんな中、コウの前に現れた少女の名はセリと言う。

偶然出会ったように見えて、隙を狙って拉致しようとするあたり只者ではなさそうだ。

彼女の登場から、一気に不穏な空気が漂い始めてくる。

「よふかしのうた」(コトヤマ)3巻より、恋バナに決まってんだろうが
(「よふかしのうた」3巻より)

顔のいい吸血鬼の女の子と仲良くなって、夜の時間を過ごす楽しさをまったり描いていくのではと思われた最初の展開からずいぶん予想外な方向に進んできた。 

これはラブストーリーでいいのだろうか。 

コウが攫われた先はナズナの知り合いの集まる場所。 

ファミリーネームとしてではなかったが、それぞれ春の七草にちなんだ名前を持っている。

桔梗セリ・七草ナズナ・(キク)・小繁縷ミドリ・平田ニコ・本田カブラ・蘿蔔ハツカ。

彼女たちはナズナよりも街に馴染んでいる様子で、食事対象にも不自由してなさそうだ。

コウとの一件を恋バナと表現しているが、もちろん人間からしてみればそんな穏やかな雰囲気ではないのである。

「よふかしのうた」(コトヤマ)3巻より、一年後に吸血鬼になれていなかったら
(「よふかしのうた」3巻より)

なぜなら吸血鬼の存在を知りながら眷属にならないコウは、彼女たちを脅かす存在として抹殺対象になっているのだった。 

考えてみればそれも当然の話で、そんな危険人物を野放しにしているわけにもいかないだろう。

警告と言うよりは強引に憂いを断つ方法ではあったが。

でもそれでいくと、アキラも事情を知っている人間として狙われるのではないかとの疑問が出てくる。

彼女も吸血鬼になる道を選ぶのだろうか?

ひとまず猶予は1年。

「よふかしのうた」(コトヤマ)3巻より、コウと幼なじみ三人組
(「よふかしのうた」3巻より)

コウのもう一人の幼なじみ、夕真昼(せき まひる)も登場し、こちらも賑やかになってきた。

名前からして向こう側のキャラだが彼も夜の世界に入ってくるのかな。 

 

関連記事