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「お従兄さんの引っ越しの片づけが進まない」1巻(吉辺あくろ)妄想が捗る初恋の相手との同居コメディ

「お従兄さんの引っ越しの片づけが進まない」(吉辺あくろ)1巻(ガンガンコミックスJOKER)

「お従兄さんの引っ越しの片づけが進まない」は吉辺あくろによる漫画作品。

月刊ガンガンJOKERにて2017年より連載を開始した。

帯の言葉は、「バッ…バッカじゃないの!?(お従兄ちゃん、大好き////)」

恋する少女の物語。ただ、恋した相手がヘンタイでした…。

久しぶりに会った従兄がイケメン。大学に通うために同居するのだという…。しかし、お従兄ちゃんの本性は…。繰り出されるマニアックすぎる知識と性癖。怒涛のボケにツッコミ返すだけで精いっぱい!甘いムードになれず、もどかしい想いだけが高まって…。「お従兄ちゃん、大好き!」その言葉を伝えたいだけなのに…。笑えて可愛いラブコメディ第1巻!

(「お従兄さんの引っ越しの片づけが進まない 1 | SQUARE ENIX」より)

久しぶりの再会

幼い頃よく遊んでくれた従兄が、大学進学のためにしばらく居候することになった。

長女の高帆にとっては、初恋の相手でもある。

イケメンに成長した従兄とまた一緒に過ごせることに、胸が高鳴る彼女であった。

「お従兄さんの引っ越しの片づけが進まない」(吉辺あくろ)1巻より、高帆はツンデレ
(「お従兄さんの引っ越しの片づけが進まない」1巻より)

だがそこはお年頃なので距離感を測りかねてもいる。

まずは引っ越しの荷物の片づけを手伝うことで、少しずつ打ち解けていきたいところ。

積極的な態度とは裏腹に素直じゃないあたり、いいツンデレ具合である。

 

一方、従兄の藤嗣(ふじつぐ)は“妹”に対して特別な思い入れを持っているようだ。

それは妄想の中の妹をイメージして実際に衣装を購入するほど。

ただ残念なのは、彼の「理想の妹」にぴったりなのが高帆ではなく、弟の成叶(なすか)であったこと。

「お従兄さんの引っ越しの片づけが進まない」(吉辺あくろ)1巻より、成叶のスク水姿
(「お従兄さんの引っ越しの片づけが進まない」1巻より)

弟は姉の目から見てもかわいく、たとえ女装したとしてもよく似合うのであるが、釈然としないものはあるに違いない。

本作はこのヘンタイな従兄とツンデレな姉、物分りがよすぎる弟によるコメディ作品。

タイトルからするとあまり長引かせずにまとめるのかな?

お従兄ちゃんはヘンタイ?

疑問符を付けるまでもないのだが、お従兄ちゃんはヘンタイである。 

「お従兄さんの引っ越しの片づけが進まない」(吉辺あくろ)1巻より、着るしかないな、俺が
(「お従兄さんの引っ越しの片づけが進まない」1巻より)

理想の妹を追い求めるあまりコスプレ衣装を持参するところもそうだが、かわいければ男の娘でも可であるらしい。

成叶が特別なのか、あるいは新たな扉を開いてしまったのか。

ロリ・ショタに加え、飼育願望(M)・露出狂・ワキフェチと属性多すぎな問題も、イケメンらしいキリッとした表情で言われるとすんなり受け入れてしまいそう。

「お従兄さんの引っ越しの片づけが進まない」(吉辺あくろ)1巻より、飼育ごっこ中だ
(「お従兄さんの引っ越しの片づけが進まない」1巻より)

成叶は小学生離れした順応力の高さと察しのよさを持つ出来た弟だけれど、プリンと引き換えに女装を受け入れるところもあり将来が心配である。

姉の高帆の気持ちに気付いていて、さりげなくサポートしてくれる。

しかしいいのか弟よ、姉の彼氏がヘンタイでも。

マイペースな二人を相手にツッコミがいそがしい高帆も、翻弄されているばかりかというとそうとも限らない。

「お従兄さんの引っ越しの片づけが進まない」(吉辺あくろ)1巻より、犬のお従兄ちゃんも悪くないかも
(「お従兄さんの引っ越しの片づけが進まない」1巻より)

犬としてのお従兄ちゃんの妄想にまんざらでもないあたり、血なのかも。

理想の妹対決では弟にその座を譲ったものの、高帆も妹としては大事に思われているようで、ドキドキ展開も期待できる可能性はある。

 

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