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「乙女怪獣キャラメリゼ」1巻(蒼木スピカ)東京の街にキュートな?巨大怪獣現る!正体は恋する女の子。

 「乙女怪獣キャラメリゼ」(蒼木スピカ)1巻(MFコミックス アライブシリーズ)

「乙女怪獣キャラメリゼ」は蒼木スピカによる漫画作品。

月刊コミックアライブで2018年2月より連載を開始した。

東京の街に巨大怪獣出現!

感情の高ぶりで変身してしまう女の子の、恋の物語。

女子高生×怪獣? 史上最大級のラブコメが日本上陸!!
謎の症状に悩まされてきた女子高生「クロエ」。人と関わらず過ごしてきた彼女が、学園一のモテ男「新汰」と接触するとき、真の力が解き放たれる――。

争う恋と理性――。少女漫画の常識を覆す、衝撃の展開が日本を襲う!!

「乙女怪獣キャラメリゼ」(蒼木スピカ)1巻より) 

特殊体質の女の子

高校生の赤石黒絵は、幼い頃から体の一部が突然醜く変形する特殊な病に悩まされてきた。

最初に発症したのは初めて恋をしたときのこと。

好きになった男の子に恐怖の目で見られたことがトラウマになり、他人と関わることを避けるようになっていた。

体を隠す大きめの服を着て、学校でもほとんど話さず目立たないように過ごすことで、平和な日常を保っている。

「乙女怪獣キャラメリゼ」(蒼木スピカ)1巻より、娘の黒絵を溺愛する母
(「乙女怪獣キャラメリゼ」1巻より) 

彼女の秘密をただ一人知る母が、娘のことを溺愛している事がせめてもの救いだろうか。

と同時に、彼女の症状が比喩的な表現ではなく、実際に現れているものだと知れるのである。

原因はなんだろうか。

今のところ分かっているのは、気持ちが高ぶった時に出現しているという事。

プラスとマイナスどちらの感情でも反応してしまう点はやっかいである。

年頃の女の子にとっては酷なことだが、おしゃれをしたりおいしいものを食べに出かけたりすることは諦めていた。 

「乙女怪獣キャラメリゼ」(蒼木スピカ)1巻より、パンケーキに喜ぶ黒絵
(「乙女怪獣キャラメリゼ」1巻より) 

彼女だって、本来こんな表情ができるのである。

だが、クラスでついたあだ名は「メンヘラたん」。

 

そんな彼女にもやがて転機が訪れる。

なるべく他人と関わらないことで症状を隠し通してきたのだが、学校内に友人と呼べる相手ができたことでそれも困難になっていく。

「乙女怪獣キャラメリゼ」(蒼木スピカ)1巻より、黒絵をよく見ている新汰
(「乙女怪獣キャラメリゼ」1巻より) 

そして、恋。

トラウマになった出来事からはじめてのことかもしれない。

本人も久しぶりすぎて忘れていた感情。

しかも、あの時よりも大きくなったドキドキに、自分で自分を抑えきれなくなってしまう。

これまで手や背中や尻尾など一部分の変化であった怪獣化が、全身に及ぶものとなって現れた。

本格的な巨大怪獣である。

隅田川の晴海付近で初めて目撃されたことからハルゴンと名付けられた。

怪獣ハルゴンと周囲の人々

「乙女怪獣キャラメリゼ」(蒼木スピカ)1巻より、初めての大怪獣化した黒絵
(「乙女怪獣キャラメリゼ」1巻より) 

この迫力あるツーショットを見よ。(ラブコメです)

ゴジラに角や突起物が増えたような見た目で放射熱線も吐きそうなのだが、自分の容姿を気にしたり、背ビレがハート型だったり、なかなかの乙女なのである。

相手の男の子・南新汰も、二度の遭遇で何やら気づいていることがありそう。

彼は高校の女子たちから絶大な人気の生徒だが、中学時代は太っていたため、あまりの反応の違いに戸惑っている生徒。

黒絵の周りに流されない態度に興味を持ったことがきっかけで親しくなったのだった。

そんな経緯もあり、多少の見た目の変化では動じなそうだが、ここまで大きなものだとどうだろうか。

「乙女怪獣キャラメリゼ」(蒼木スピカ)1巻より、怪獣好きの少女・真夏
(「乙女怪獣キャラメリゼ」1巻より) 

また、怪獣オタクの女の子・有里真夏とも仲良くなった。

好きが高じすぎてちょっと危ない人に見えるところもあるが、友達思いな子である。

怪獣関連の疑問には何でも答えてくれそう。

灰色のようだった学校生活も、これから賑やかなものになっていくだろう。

黒絵にとっては喜ばしいことだが、感情をコントロールすることが今後の大きな課題となる。

そして、他の巨大化キャラが存在するのかも気になる。

ペットのジャンボキングが散らかした棚に置いてあった卵、これはもしかして黒絵のものなのか?

とすれば母は一体何者なのか。

あとがき

表紙がかわいくて衝動買いしてみたけど、当たりだった。

最新号の月刊コミックアライブ 2018年8月号(6/27)では特別編として真夏の家へ招待されるエピソードが掲載されている。

単行本の続きの本編第5話は次号から再開予定のようだ。

ちなみに掲載誌はマガジン☆WALKERでも読める。

 

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