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「あつもりくんのお嫁さん(←未定)」1巻(タアモ)決められた未来を変えるため頑張る女の子を描くラブコメディ

「あつもりくんのお嫁さん(←未定)」(タアモ)1巻(デザートコミックス)

「あつもりくんのお嫁さん(←未定)」はタアモによる漫画作品。

月刊デザートで2018年5月より連載を開始した。

帯の言葉は、「私はこの人と結婚する……したい」「都会のオレ様王子×田舎のピュア女子運命ラブ」。

今度のヒロインは恋に積極的で、しかもピュアな方言女子である。略称は「あつ嫁」?

田舎で暮らす中学生の錦は、勉強が大好き。でもじつは、親が決めた許婚がいて地元での生活にちょっと息苦しさを感じている。そんなある日、東京からやってきた高校生の敦盛と出会う。独特の価値観を持つ敦盛は、地元から逃げ出す方法としてまさかの結婚を提案! 敦盛に強く惹かれていく錦は、猛勉強の末、彼を追いかけて東京の高校に進学するけど…!? 「たいようのいえ」のタアモ最新作。

(「あつもりくんのお嫁さん(←未定)(1) (デザートコミックス)」より)

連載開始時の扉絵がかわいかった。

未来は自分で決める

久保田錦には親同士の決めた許嫁がいる。

高校を卒業したらすぐにでも結婚することを望まれているが、それがむしろ悩みの種だった。

勉強が好きで、大学にも行きたいし、外の世界も見てみたい。

何より相手の宝くんは親友かのちゃんの好きな人なのである。

「あつもりくんのお嫁さん(←未定)」(タアモ)1巻より、きりたんぽパフェを食べる錦とかのか
(「あつもりくんのお嫁さん(←未定)」1巻より)

友情の方を優先したい錦にとっては、かのちゃんのこんな笑顔を見るのはつらいのだ。

彼女の恋は応援したいし、幸せになってもらいたい。

だが頑なな父は錦の意見を聞き入れそうにもなく、自分はここに居ない方がいいのではないかと考えるまでになっていた。

 

そんな毎日から救ってくれたのが、近くで行われる紙風船上げ祭りのために東京からやってきた敦盛である。

彼も、父親の跡を継ぐことを望まれ窮屈な思いをしているという。

この時の約束がタイトルの意味に繋がっている。 

「あつもりくんのお嫁さん(←未定)」(タアモ)1巻より、東京へ行く決意をする錦
(「あつもりくんのお嫁さん(←未定)」1巻より)

東京の高校へ進学した錦と、地元に残ったかのちゃんの2つの恋を描くのかというところだが、すんなりとはいかなそう。

それは錦が周りの人たちの本当の気持ちを確認できていない点にある。

娘の気持ちを顧みずに強引に話を進める父親だけが毒なのかと思いきや、彼女も似た部分があるのかもしれない。

その分、行動力はあるのがいいところ。

「あつもりくんのお嫁さん(←未定)」(タアモ)1巻より、独り立ちできるまで面倒くらい見させろ
(「あつもりくんのお嫁さん(←未定)」1巻より)

そしてポジティブ。

まだ名前ではなくイタチ呼ばわりなのだけど、好きな気持ちを真っ直ぐに押していくのがかわいい。

前作が超ネガティブな女の子だったので新鮮だなと。

対する敦盛も、突き放しつつ影から見守る的なキャラなので今回のツンデレ担当は彼の役割なのかも。

「あつもりくんのお嫁さん(←未定)」(タアモ)1巻より、かのちゃんの本来の笑顔
(「あつもりくんのお嫁さん(←未定)」1巻より)

錦とかのちゃんの二人がこんな笑顔で再会できるといいね。 

 

現在、前作「地球のおわりは恋のはじまり」1巻が各電子書籍ストアで無料になっている。

巻末の番外編での守谷さん回が好き。

 

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