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「さよなら私のクラマー」28話(新川直司)前を向くために

「さよなら私のクラマー」(新川直司)28話より、恩田と越前コンビの守備

「さよなら私のクラマー」は新川直司による漫画作品。

月刊少年マガジンで2016年5月より連載を開始した。

28話は、恩田と越前のコンビから始まる新たな可能性。

 

前回はこちら。

恩田・越前コンビ始動

栄泉船橋のエース国府妙を止めるため投入された越前佐和に、心強い助っ人が現れた。

彼女とは一番付き合いの長いチームメイト、恩田希。

本来ポジションの違う恩田を下げたのは、経験の少ない越前のことをよく分かっている点も理由だろうが、監督の考えは別にある。 

「さよなら私のクラマー」(新川直司)28話より、何者にもなれるってことだ
(「さよなら私のクラマー」28話より)

かと言って守備力に期待しているわけでもない。

むしろ彼女を攻撃の起点としてのカウンターにその狙いがありそうだ。

彼女に伝えられたのは「ボールを失わない」「ボールを運ぶ」ことの2点。

以前の浦和戦で見せた、シンプルな指示からの集中力は驚異的であったが、ここは彼女の性格を理解している監督が再び試みたというところだろう。

「さよなら私のクラマー」(新川直司)28話より、ファールで恩田希を止めに行く浦川茜
(「さよなら私のクラマー」28話より)

アンカーに下げることにより、ゴールまでの距離は遠くなるが、その分だけ前を向くことができる。

国府の突破力を軸にする相手へのカウンターが恩田の突破力から生まれるというのはわくわくする展開ではないか。

国府にできて恩田にできないなんてことはないだろうしね。

「さよなら私のクラマー」(新川直司)28話より、ファールでも止まらない恩田
(「さよなら私のクラマー」28話より)

距離が伸びて前を向いた分、ターンを抑えてシンプルなプレーをさせる意図もあったようだ。

人一倍テクニックがあるだけにそこに頼ったプレーを続けてきた。

それは男子選手に対抗するための彼女の武器であったのだが、現在の舞台は女子サッカー。

今の彼女はフィジカル面でも高いレベルにある。

まだ本人は自覚がないのかもしれないが。

「さよなら私のクラマー」(新川直司)28話より、恩田なら軽くちぎるだろ
(「さよなら私のクラマー」28話より)

早くて強くてテクニックもある選手となるポテンシャルを秘めているのに完全には活かしきれていない。

彼女自身も、チームも、まだまだ強くなる。

ボールを運んだ先には周防がいるし、恩田の代わりに上がっている曽志崎がいる。

「さよなら私のクラマー」(新川直司)28話より、恩田と入れ替わりに曽志崎が
(「さよなら私のクラマー」28話より)

ゴール前は曽志崎がうまいよね。

ボールを持った時の安心感はやはり一番だ。

今回の入れ替えは奇策とのことだが、監督も選手の可能性を引き出すのがうまそうだし、チームの進化が楽しみだね。

 

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