「小さいノゾミと大きなユメ」は浜弓場双(はまゆみば そう)による漫画作品。
月刊モーニング・ツーで2019年5月より連載を開始した。
部屋の探索中に洗い物の山を見つけたノゾミは…
前回はこちら。
目を覚ますと身長12センチの体になっていた女子高生・小岩望実が命からがらたどり着いたのは、ひきこもニートの大久保由芽が住むアパートの一室。中野苗(なかの なえ)という自分と同じ境遇の少女と出会ったノゾミは、家の外へ繰り出すためにナエの相棒のハムスター・タッピーを乗りこなそうとするけど…!?
(「前回までのあらすじ:小さいノゾミと大きなユメ」より)
スパルタノゾミ再び
タッピーへの騎乗を試みているノゾミだったが、今のところ一度も乗れていない。
ナエの通訳によると生理的に嫌われているらしいのだけれど、探索のためには何とか克服したいのだ。
外にいる猫を手懐けるよりは現実的な選択と言えるだろう。
関係構築のために甲斐甲斐しく世話を焼く姿が日常化してきている。
とは言え、いいように使われているように見えるのは、彼女がチョロいのかナエがしっかりしているのか。
今回も、タッピーの好物のナッツを手に入れるために出かけたノゾミは、見てはいけないものを見てしまうのであった。
まともな食事をしていなさそうなユメのキッチンに溜まった洗い物の山。
いったいどのくらい放置しているのか。
ユメも今さら恥ずかしがっている場合ではないが、気持ちは分からんでもない。
もちろんノゾミが見逃してくれるはずもなく…
一家に一人欲しい面倒見の良さ。
ユメの扱いも手慣れてきたし、このまま順調に行けば、いずれ引きこもり生活を抜け出す日がやってきそうだ。
でもその時、ノゾミは…?
いつかは彼女もこの部屋からいなくなるのである。
設定的には酔っぱらいの妄想ということになっているので、立ち直る前の段階で見えなくなる覚悟は必要だろう。
寂しいよね。
「少しずつでも一人で進んで行きなよ?」は、涙腺直撃するのも無理はない。
お母さんみたいなセリフだけれど、ユメにとってすでに欠かせない存在なのである。
外の世界への恐怖よりも、ノゾミがいなくなる恐怖の方が次第に大きくなっていくのだろう。
ユメの感謝の言葉に照れつつ手を差し出すノゾミの姿がいい。
もちろん握手などではないのだけどね。
単行本2巻は、2020年9月25日発売!